木瓜の花(ぼけの花)晩春
【子季語】
緋木瓜、白ぼけ、更紗木瓜、蜀木瓜、花木瓜、唐木瓜、広東木瓜
【解説】
中国原産バラ科の落葉低木。開花期は十一月から四月にかけて。十一月頃咲くものは寒木瓜と呼ばれる。瓜のような実がなることから木瓜と呼ばれる。枝には棘があり、春、葉に先立って五弁の花を咲かせる。
【科学的見解】
ボケは、バラ科ボケ属の落葉低木で、江戸時代に鑑賞目的として中国から導入された。近縁種としては、日本在来のクサボケが知られているが、クサボケは一メートル以内の樹高に対して、ボケは一~三メートルほどとなる。ボケの花弁の色は、紅白二色あり、その組み合わせで紅花個体をヒボケ(緋色のボケ)、白花個体をシロボケ、紅白混じる個体をサラサボケと呼んでいる。(藤吉正明記)
【例句】
紬着る人見送るや木瓜の花
許六「住吉物語」
順礼の子や煩ひて木瓜の花
樗堂「萍窓集」
木瓜咲くや漱石拙を守るべく
夏目漱石「漱石全集」
木瓜の花こぼれし如く低う咲く
大谷句仏「我は我」