【子季語】
冷し麦、切麦
【解説】
麺の一種で、小麦粉に塩を混ぜて水でこね、細くきって乾燥させたもの。素麺よりは太い。乾麺を茹でて冷水にさらし、氷を浮かべる。紫蘇や葱、茗荷などを刻んだ汁につけて食べる。涼味満点で、暑さで食欲の落ちたときなどに格好。室町時代末ごろにできたといわれ、当時は「切麦」といった。
【例句】
冷麦は夜のものとて月のさす
宗徳「よさむ」
酒の瀑布冷麦の九天より落るならむ
其角「虚栗」
きり麦や椎の葉にもる物ならず
蝶夢「草根発句集」
命惜しまむ冷麦のうまかりし
森澄雄「所生」