夕顔の実(ゆうがおのみ、ゆふがほのみ)初秋
【解説】
うり科の一年草で、夏に白い花をつけ、秋に実をつける。『源氏物語』に登場する夕顔のように儚く美しいイメージの花である。実は丸形と長形があり果肉を紐状に削って乾燥させ、干瓢をつくる。または中身をくりぬいて炭取りや、火鉢、花器などいろいろに加工して利用したりもする。
【科学的見解】
ユウガオは、アフリカまたは熱帯アジア原産とされており、ウリ科のつる性一年草である。花は白色で、雌花の下には開花時に既に大きな子房が形成されている。本種は、主に関東地域の畑で生産されており、収穫後は果実を薄く削り、乾燥させて保存する。乾物はかんぴょうと呼ばれており、煮物などで使用されている。また、果実を乾燥させると表皮が硬くなることから、昔は器として使用されていた。(藤吉正明記)
【例句】
驚くや夕顔落ちし夜半の音
正岡子規「子規句集」
夕顔や我葉を敷てころび寐を
来山「来山句集」
夕顔に片尻懸けぬさん俵
北枝「卯辰集」