たらの芽(たらのめ)仲春
【子季語】
多羅の芽、うどもどき、うどめ、たらめ、たら摘む、たらうど
【解説】
たらの木の若芽のこと。たらはウコギ科の落葉低木。山野に自生し、繁殖力が強く枝に鋭いとげを持つ。少し苦味のある若芽は春先の山菜の代表的なもの。今では、時期になるとスーパーなどでも売られる。
【科学的見解】
たらの芽の標準和名は、タラノキといい、北海道から九州までの山野の明るい斜面や林縁部で生育している。タラノキは、人間や自然の攪乱が起きて明るい環境が出来た時に一番最初に発芽・侵入する先駆植物である。新芽が美味しいことから、山菜として利用され、現在では茎に刺がなく栽培しやすい園芸品種まで販売されており、メダラと呼ばれている。(藤吉正明記)
たらの芽のとげだらけでも喰はれけり
一茶「八番日記」
多羅の芽や疎忽に摘んで笑はれし
五明「発句題叢」