種蒔(たねまき) 晩春
【子季語】
種降し、すぢ蒔、籾蒔く、籾おろす、種蒔おつこ
【関連季語】
八十八夜、苗代、種選、種浸し
【解説】
稲の籾を苗代に撒くことをいう。八十八夜(立春から数えて八十八日目)ころに行う。野菜や花の種を蒔くのは「物種蒔く」「花種蒔く」と言って区別する。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【文学での言及】
鴫のゐる野澤の小田をうち返し種蒔きてけりしめはへて見ゆ 津守國基『金葉集』
【例句】
籾蒔きや鼠もぬるる神の雨
才麿「此君集」
種蒔もよしや十日の雨ののち
蕪村「自画賛」
種蒔いて暖き雨を聴く夜かな
村上鬼城「鬼城句集」