鉄線花(てっせんか/てつせんくわ) 初夏
【子季語】
てつせんかづら/鉄線/クレマチス
【解説】
キンポウゲ科の蔓性植物。中国原産。高さは二、三メートルになりものに巻きついて伸びる。初夏、紫または白の六弁の花を咲かせる。花びらが八枚のものは日本原産でクレマチス。蔓が細くて針金のようであることから鉄線と名づけられた。
【科学的見解】
テッセンは、キンポウゲ科のつる性低木で、観賞用として中国から導入された園芸植物である。花には花弁がないが、花弁によく似たがくを六枚有するところが特徴である。近縁の日本在来植物としては、カザグルマが有名であるが、本種も同様に花弁を欠き、花弁状の八枚のがくを持つことが特徴である。両者は、がくの枚数で容易に区別がつく。(藤吉正明記)
【例句】
てつせんは花火の花のたぐひかな
季吟「山の井」
御所拝観の時鉄線の咲けりしか
正岡子規「寒山落木」
鉄線の花さき入るや窓の穴
芥川龍之介「澄江堂句集」