納豆汁(なっとうじる/なつとうじる) 三冬
【子季語】
なっと汁
【解説】
雪国、とりわけ山形地方の郷土料理。冬場のたんぱく質を補い、体もあたたまる。つくる家庭により具はことなるが、身近にある野菜と豆腐、油揚げ、コンニャクなどで味噌汁をつくり、擂りつぶした納豆とあわせる。
【例句】
砧尽きて又の寝覚や納豆汁
其角「東日記」
膳の時はづす遊女や納豆汁
太祇「太祇句集」
朱にめづる根来折敷や納豆汁
蕪村「平安四年句稿」
入道のよよとまゐりぬ納豆汁
蕪村「蕪村句集」
朝霜や室の揚屋の納豆汁
蕪村「蕪村句集」
ひたぶるに旅僧とめけり納豆汁
月居「続明烏」
納豆汁杓子に障る物もなし
石井露月「露月句集」