灸花(やいとばな)晩夏
【子季語】
屁糞葛
【解説】
日本各地の路傍や草原に自生する蔓性多年草。七月~九月、ベル状で中央に赤い丸がついた可憐な花をいくつもつける。色がもぐさ、あるいは灸のあとのかさぶたにも見えることからその名がついた。枝、葉、実とも臭いことから屁糞葛ともいわれる。
【科学的見解】
ヤイトバナは、日本全土に普通に見られ、東南アジアに広く分布するつる性の多年草である。根茎を発達させ、他の植物やフェンスに絡まりながら、成長していく。花の中央が赤くなり、全草に強い香りもとつところが特徴である。開花後、秋が深まると果実が飴色に熟し、鳥によって種子が散布される。また、果実は、クリスマスリースの材料としても使える。(藤吉正明記)