松露(しょうろ) 晩春
【子季語】
松露掻く/松露掘る
【解説】
ショウロ科ホコリ茸の一種。三~四月ごろと十月ごろに松林の中に生える。球状で砂に埋もれている。外皮は白色膜質であるが空気に触れると、変色し、淡褐色か褐色になる。食用になる。”
【科学的見解】
松露(ショウロ)は、海岸付近のクロマツ林内に生育する共生菌類である。ショウロは、分解能力が低く、クロマツなどのマツ科樹木と根系を通して共生関係を保ち、光合成産物を受け取ることで生育している。逆にショウロは、土壌中の窒素などの栄養分を共生植物へ与え、共生関係を保っている。ショウロは、手入れの行き届いた松林を好むが、近年管理されていない松林が増え、丸いキノコ(子実体)の発生も減少している。(藤吉正明記)