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季語と歳時記

きごさい歳時記

月別アーカイブ: 2月 2011

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冷まじ(すさまじ) 晩秋

季語と歳時記

【子季語】
すさまじ
【解説】
季語の「すさまじ」は漢字をあてると「冷まじ」であり、晩秋の急に身に迫る冷やかさをいう。「すさまじい勢い」などというときの「すさまじ」(凄まじ)は冷やかにかぎらず、程度が激しいこと、さらには、荒れているという言葉だが、「荒(すさ)ぶ」「すさむ」から出た言葉で、もとより同根。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
昼吠ゆる犬、春の網代、三四月の紅梅の衣、牛死にたる牛飼、乳児亡くなりたる産屋、火おこさぬ炭櫃、地火炉。博士のうち続き女児生ませたる。方違へに行きたるに、あるじせぬ所。まいて節分などは、いとすさまじ 『枕草子』「すさまじきもの」の段
年暮れてわがよ更けゆく風の音に心の内のすさまじきかな 紫式部『玉葉集』
冬枯のすさまじげなる山里に月のすむこそあはれなりけり 西行『玉葉集』
跡たえてうづまぬ霜ぞすさまじき芝生が上の野べの薄雪 冷泉院『風雅集』
【例句】
猪は季をこそ持たね冷じき 
来山「海陸後集」

冷まじや吹出づる風も一ノ谷
才麿「椎の葉」

山畑に月すさまじくなりにけり
原石鼎「花影」

すさまじきものを咥へて猫帰る
長谷川櫂「初雁」

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夜寒(よさむ) 晩秋

季語と歳時記

【子季語】
宵寒、夜寒さ、夜を寒み
【関連季語】
そぞろ寒、やや寒、肌寒、朝寒、秋寒、露寒、うそ寒
【解説】
夜更けになると感じられる寒さ。日中感じられない寒さも、夜になると冷えて寒さが際立つ。「朝寒」とは異なり、古くから詩歌に詠まれてきた。「寒き夜」、「夜寒き」は冬である。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
さ夜ふかく旅の空にて鳴く雁はおのが羽かぜや夜さむなるらん 伊勢大輔『後拾遺集』
きりぎりす夜さむに秋のなるままによわるか声の遠ざかりゆく 西行『新古今集』
【例句】
入麺の下焚き立つる夜寒かな 
芭蕉「己が光」

瀬の音の二三度かはる夜寒かな    
浪化「裸麦」

病人と鉦木に寝たる夜さむかな
丈草「韻塞」

落雁の声のかさなる夜寒かな
許六「韻塞」

夜寒さや舟の底する砂の音 
北枝「後れ馳」

四十から酒のみ習ふ夜寒かな
蓼太「蓼六句集初編」

欠け欠けて月もなくなる夜寒かな
蕪村「几董句録」

咳く人に素湯まゐらする夜寒かな
几董「晋明集二稿」

咬牙する人に目覚めて夜寒かな
一茶「寛政句帖」

夜を寒み俳書の山の中に坐す  
正岡子規「子規句集」

遥かなるものばかりなる夜寒かな
石田波郷「病鴈」

夜寒さの松江は橋の美しき
森澄雄「餘日」

これよりの夜寒朝寒味噌の味
長谷川櫂「初雁」

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朝寒(あさざむ) 晩秋

季語と歳時記

【子季語】
朝寒し、朝寒み
【関連季語】
そぞろ寒、やや寒、肌寒、夜寒、秋寒、露寒、うそ寒
【解説】
晩秋、朝のうちだけ、ひやりと寒さを感じる。その寒さは昼近くなると消えてしまう。「寒き朝」「今朝寒し」は冬である。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【文学での言及】
雁鳴きて寒き朝の露ならし龍田の山をもみだすものは よみ人知らず『後撰集』 
【例句】
朝寒や旅の宿たつ人の声 
太祇「太祇句選後編」

寺子屋の門うつ子あり朝寒み
太祇「太祇句選後編」

朝寒に鉈の刃鈍きひびきかな
几董「晋明集二稿」

朝寒のけふの日南や鳥の声
鬼貫「鹿子の渡」

二日咲く木槿となりて朝寒し 
暁台「暁台句集」

朝寒や雑巾あてる門の石
一茶「八番日記」

朝寒や舞台にのぼる影ぼふし 
梅室「梅室家集」

朝寒やひとり墓前にうづくまる 
正岡子規「子規句集」

朝寒や生きたる骨を動かさず 
夏目漱石「漱石全集」

朝寒やまたゝきしげき仏の灯
星野立子「続立子句集第二」

長谷川櫂「蓬莱」
朝寒や自転車を立て豆腐売る

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漸寒(ややさむ) 晩秋

季語と歳時記

【子季語】
やや寒し、ようよう寒し、ようやく寒し
【関連季語】
そぞろ寒、肌寒、朝寒、夜寒、秋寒、露寒、うそ寒
【解説】
晩秋の寒さのこと。冬になっての本格的な寒さとは別である。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
朝ぼらけ萩の上葉の露見ればややはだ寒し秋の初風 曾禰好忠『続古今集』
【例句】
漸寒き後に遠しつくば山
一茶「享和句帖」

やゝ寒み襟を正して座りけり
正岡子規「子規句集」

稍(やや)寒の鏡もなくに櫛る
夏目漱石「漱石全集」

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身に入む(みにしむ)三秋

季語と歳時記

【子季語】
身に沁む
【解説】
秋の冷気やものさびしさが、身に深くしみるように感じること。和歌では「身にしむ風」「身にしむ秋」などと秋の冷やかさとともにつのるものさびしさをあらわす言葉だった。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
月はよしはげしき風の音さへぞ身にしむばかり秋はかなしき 斎院中務『後拾遺集』
風の音の身にしむばかり聞ゆるは我身に秋や近くなるらん よみ人知らず『後拾遺集』
秋ふくはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらん 和泉式部 『詞花集』
夕されば野べの秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里 藤原俊成『千載集』
秋風は身にしかばかり吹きにけり今や打つらむ昧がさごろも 藤原輔尹『新古今集』
【例句】
野ざらしを心に風のしむ身かな
芭蕉「野ざらし紀行」

鳩の声身に入みわたる岩戸哉
芭蕉「漆島」

身にしむや宵暁の舟じめり
其角「姿かな」

身にしむや亡き妻の櫛を閨に踏む
蕪村「蕪村句集」

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爽やか(さわやか、さはやか)三秋

季語と歳時記

sawayaka
【子季語】
爽気、秋爽、さやけし、さやか、爽やぐ
【解説】
爽やかとは、もともとはさらりと乾いた秋風が吹くことをいう。次にその風に包まれるときの感じをいうようになり、さらに秋のここちよい気分をいうようになった。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【例句】
爽やかに夜雨の残りし草の上
松瀬青々「倦鳥」

爽やかに宿立ち出でて飛橋かな 
原石鼎「原石鼎全句集」

爽やかに山近寄せよ遠眼鏡 
日野草城「花氷」

爽かや何かにつけて出て歩く
長谷川櫂「初雁」

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冷やか(ひややか) 仲秋

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【子季語】
冷ゆ、ひやひや、ひえびえ、下冷え、秋冷、朝冷、雨冷
【解説】
秋も終わりに近づき、冬が迫ってくると肌に触れる物や空気をひんやりと感じることがある。この皮膚の感触が冷やか。人のものいいや態度にもいう。これにたいして、冬の季語「寒し」は体全体の感じをいう。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【例句】
よりかかる度に冷つく柱哉
一茶「享和句帖」

ひやひやと朝日さしけり松の中
正岡子規「子規句集」

冷やかやほの明りさす空花瓶
臼田亜浪「旅人」

秋冷の黒牛に幹直立す
飯田龍太「童眸」

山碧く冷えてころりと死ぬ故郷
飯田龍太「麓の人」

冷やかに身にしみわたる今朝の水
長谷川櫂「松島」

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秋気(しゅうき、しうき)三秋

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【子季語】
秋気澄む、秋の気
【解説】
冷やかに澄む秋の空気をいう。唐の詩人柳宗元の詩「 秋気南澗二集ヒ、独リ遊ブ亭午ノ時」よる季語とされる。
【例句】
水郷に漕ぐ波に近き秋気かな
志田素琴「山萩」

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秋澄む(あきすむ)三秋

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【子季語】
空澄む、清秋、澄む秋
【解説】
秋の澄んだ大気をいう。この時期、大陸上空の乾燥した冷たい空気が流れ込むため、遠くまで澄みわたる。目に映るものだけでなく、ものの音も澄んで響くように感じられる。
【例句】
水涼し秋澄む関のかざり鎗
蓼太「蓼太句集三編」

秋澄むや獅子狩葡萄文錦
長谷川櫂「古志」

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夜長(よなが)三秋

季語と歳時記

【子季語】
夜永、長き夜、長夜
【関連季語】
日短
【解説】
秋の夜の長いことをいう。秋分が過ぎると、昼よりも夜が長くなり気分的にも、夜の長さが身にしみる。残暑もなくなり、夜業や読書にも身が入る。春の「日永」に対応する季語である。
【来歴】
『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。
【文学での言及】
今造る久邇の都に秋の夜の長きに独り寝るが苦しさ 大伴家持『万葉集』
秋ノ夜長シ、夜長クシテ眠ルコト無ケレバ天モ明ケズ、耿々タル残ノ燈ノ壁二背ケル影、蕭々タル暗キ雨ノ窓ヲ打ツ声『和漢朗詠集』
【実証的見解】
なぜ「夜長」は秋の季語で「日短」は冬の季語なのか。暑い夏を経て涼しい夜が長くなるのを賞嘆するのが「夜長」であり、冬の暖かな昼間を惜しむ思いが「日短」なのである。
【例句】
ばらばらと夜永の蚤のきげんかな
一茶「七番日記」

耳際に松風の吹く夜永かな
一茶「七番日記」

夜長さや処もかへず茶立虫
白雄「白雄句集」

夜永さに筆とる旅の覚書
几菫「晋明集ニ稿」

ひとしきりひだるうなりて夜ぞ長き
野水「阿羅野」

語るにも夜ながくなりて別れけり
北枝「猿丸宮集」

夜長人耶蘇をけなして帰りけり
前田普羅「普羅句集」

夜長寝てその後の雁は知らざりき
日野草城「花氷」

よそに鳴る夜長の時計数へけり
杉田久女「杉田久女句集」

襖絵の鴉夜長を躍り居る
原石鼎「花影」

妻がゐて夜長を言へりさう思ふ
森澄雄「所生」

常世なる長鳴鶏の夜長かな
長谷川櫂「初雁」

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