【子季語】
真魚鰹/まな/まながた
【解説】
マナガツオ科。魚体はずんぐりとして楕円形で青みを帯びる。 腹鰭がなく背鰭と尻鰭が目立つ。体長は六十センチ程度。夏から食用にされるが冬は身が締まって美味。
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土芳忌(とほうき/とはうき) 晩冬
【解説】
蕉門俳人、服部土芳の忌日。陰暦正月十八日。芭蕉と同郷の伊賀上野生まれ。伊賀蕉門の中心的存在。別号は蓑虫庵。著書に芭蕉 俳論を記した「三冊子(さんぞうし)」など。享保十五年(一七三〇年)七十四歳で没。
初鱈(はつたら) 初冬
【解説】
鱈はタラ科の寒海性の魚でマダラ、スケトウダラ、コマイなどがある。体長は一メートルを越すものもいる。下顎に一本の口髭があり、背鰭が三つに、尻鰭が二つに分かれていることが特徴。鱈は鯖よりも腐敗が速い。字体が表すように、鱈は北海道で初雪の降る頃に獲れる。鱈漁は産卵期の十二月から三月まで続く。このため初鱈はその年の初漁の恵みとして喜ばれた。
【例句】
初鱈や板取越ゆる雪の馬
魚候「新類題句集」
徂徠忌(そらいき) 晩冬
【子季語】
荻生徂徠忌
【解説】
江戸時代中期の儒学者、荻生徂徠の忌日。陰暦正月十九日。柳沢吉保に抜擢され柳沢邸で講学、政治諮問となったが、吉保の失脚後は日本橋茅場町に居を移し、家塾けい園を開いた。近くには俳人其角が住んでいた。享保十三年、六十三歳で没。
霜月鰈(しもつきがれい/しもつきがれひ) 仲冬
【子季語】
寒鰈
【解説】
カレイ科。カレイには多くの種類がある。砂浜から沖合いまで棲むところは様々。産卵期は種類により異なるが、石鰈と真子鰈は晩秋から冬に産卵のため深海から浅場に移動してくる。十一月から獲れる冬の鰈を霜月鰈と呼ぶ。様々な調理に耐え非常に美味。石鰈は体長約三十センチで眼の廻りに二、三列の石状の突起がある。大きなものは五十センチにも達する。
羅山忌(らざんき) 晩冬
【解説】
江戸時代初期の儒学者、林羅山の忌日。陰暦正月二十三日。朱子学者として、万物は「理」と「気」から成るとする理気二元論を説き、武家諸法度をはじめ、幕府の外交に係わった。士農工商の身分制度を正当化した。明暦三年、七十五歳で没。
甘鯛(あまだい/あまだひ) 三冬
契冲忌(けいちゅうき) 晩冬
【解説】
江戸時代中期の真言宗の僧であり、古典学者、歌人、契沖の忌日。高野山で阿闍梨の位を得る。近畿を遍歴して高野山に戻るが後に、和泉の伏屋重賢のもとで古典の研究に勤しみ、「万葉集」の注釈書「万葉代匠記」を完成させた。元禄十四年(一七〇一年)六十二歳で没。
金目鯛(きんめだい/きんめだひ) 三冬
あなぐま 三冬
【子季語】
狢/まみ狸/穴堀り/まみ/笹熊
【解説】
イタチ科。ムジナ、笹熊ともよばれる。目の廻りから耳にかけて黒い体毛があり、鼻筋から額までは白い。尻尾が短かく、前足のあとに後足を重ねるようにして歩くのが特徴。夜行性、雑食性。冬は名の如く数十メートルの穴蔵の中で過ごす。
【科学的見解】
アナグマは、ネコ目(食肉目)イタチ科の哺乳類で、北海道と沖縄を除く東北から九州までに広く分布し、人里近くの低地から山地までの森林及びササやぶなどに生息している。
本種は、丈夫な爪を持っているため、穴掘りが得意であり、土壌中に迷路状の長いトンネルを掘り、家族単位の集団で生活をしている。夜になると巣穴から出て、小型の動物や木の実・果実などを採食する。冬の寒さが厳しい地域では、活動が低下し巣穴で冬眠するが、比較的暖かい地域では冬眠しない場合がある。
日本産のアナグマは、ニホンアナグマとして亜種に区分されている。また、ニホンアナグマは、別名としてムジナと呼ばれることもあるが、タヌキのことをムジナと呼ぶ地域もあるため、種名として「ムジナ」という言葉を使用すると混乱を招く恐れがある。(藤吉正明記)