【子季語】
雪山の鳥
【解説】
インドの大雪山に棲むと言われる想像上の鳥。夜の寒さに耐えかね、こんなに寒い目をするなら、あす早速、寒さをしのぐ巣を造ろうと啼くが、いざ夜が明けると無情の世に巣など造ってなんになると言って怠けるとされる。怠けものの譬えになる鳥である。
【例句】
寒苦鳥の声に脉見る山路かな
鬼貫「野梅集」
酒買へと啼きすすむるや寒苦鳥
才麿「塵の香」
かんこ鳥は賢にして賤し寒苦鳥
蕪村「蕪村句集」
声悲し雪に幾日の寒苦鳥
伊藤松宇「松宇家集」
【子季語】
雪山の鳥
【解説】
インドの大雪山に棲むと言われる想像上の鳥。夜の寒さに耐えかね、こんなに寒い目をするなら、あす早速、寒さをしのぐ巣を造ろうと啼くが、いざ夜が明けると無情の世に巣など造ってなんになると言って怠けるとされる。怠けものの譬えになる鳥である。
【例句】
寒苦鳥の声に脉見る山路かな
鬼貫「野梅集」
酒買へと啼きすすむるや寒苦鳥
才麿「塵の香」
かんこ鳥は賢にして賤し寒苦鳥
蕪村「蕪村句集」
声悲し雪に幾日の寒苦鳥
伊藤松宇「松宇家集」
【子季語】
残り鷺
【解説】
冬の間、日本に留まる鷺の総称。サギ科には様々な属があるが、冬鷺の多くはコサギ属とアオサギ属である。灰色の冬の景の中で白い小鷺はひときわ目立つ。蒼鷺の体色は灰色を帯びた青。残り鷺とは冬になっても南に帰ることができなかったものをいう。
【子季語】
三十三才/冑蝶/巧婦鳥
【解説】
スズメ目ミソサザイ科ミソサザイ属。縞模様の入った茶褐色の体色で、全長は十センチ程度。尻尾を鋭角に上げる。平地や里に近いい山中に棲み、非繁殖期には民家にも入り込む。
【例句】
笹垣のどちらに啼くぞみそさざい
去来「草刈笛」
夕ぐれや井戸から出たる鷦鷯
許六「正風彦根躰」
身ひとつを里に来鳴くか鷦鷯
凡兆「柞原」
足がろに竹の林やみそさざい
惟然「枯尾花」
夕暮れの篠のそよぎやみそさざい
蓼太「蓼太句集初編」
竹伐りの股くぐりけりみそさざい
闌更「三傑集」
積みかへる榾に敷かれなみそさざい
樗堂「萍窓集」
雪花をまぶたにつけてみそさざい
梅室「梅室家集」
ひとり来てひとり動けり三十三才
森澄雄「餘日」
【解説】
チドリ目チドリ科ケリ属。冬鳥として渡来する。体色の一部は光沢のある緑褐色で美しい。腹部は白、体長は三十センチ程度で、虹彩は黒く、後頭部から長く黒い冠羽が出ている。刈り田や農地に棲む。ケリ属の名は「ケリリ」という鳴き声に由来する。同属のケリにはこの冠羽がなく体色も褐色で地味である。
【子季語】
善知鳥(うとう)
【解説】
チドリ目ウミスズメ科ウミスズメ属。太平洋北部の島で生息。全体に暗い色で腹部は白、嘴は小さい。体長は二十五センチ程度。海中を泳ぎ海面で小魚を漁る。
【子季語】
旗魚鮪/かじき釣/かじきとおし/わらぎ
【解説】
鮪に似た魚で、マカジキ科のものとメカジキ科のものがあり、マカジキ科のものにクロカジキとバショウカジキがある。特徴は上顎が剣状に鋭く尖って長い、下顎も少し尖っている。クロカジキが最も大型で体長四メートルを超える。ヘミングウェイの「老人と海」に語られているように釣り人の闘争の相手でもある。冬は身が締まり美味。
【子季語】
真魚鰹/まな/まながた
【解説】
マナガツオ科。魚体はずんぐりとして楕円形で青みを帯びる。 腹鰭がなく背鰭と尻鰭が目立つ。体長は六十センチ程度。夏から食用にされるが冬は身が締まって美味。