リレーエッセイ025 七五三 藤原智子
11月に入っての平日、道の向こうから女の子をおんぶしたお母さんが歩いてきた。その後ろをおばあちゃんらしき女性も歩いている。女の子は、晴れ着に身を包んでいる。少し早く七五三のお参りをしたのだろうか。それとも今日は写真館へ撮影に行ったのだろうか。どちらにしても女の子は、「もう疲れちゃったの」と言わんばかりに伸びきったまま、お母さんに覆い被さっていた。お母さんもきれいなスーツを着ていたが、自分のことは構っていられない状況だ。おんぶされるには随分大きく見えたけれど、三歳だったのだろうか。
私自身の七五三は、三人きょうだい一緒に行なった。私が七歳、弟が五歳、妹が二歳だった。みんな風船と千歳あめを持ち、私は三人の真ん中に陣取って写真に写っている。胸を反らし、誇らしげな様子だ。神社でのお祓いの言葉は、子供には分からなかったが、時折きょうだい三人の名前が織り込まれていることが、こそばゆいような気がして弟と一緒に笑ってしまったことを思い出した。
私が道で出会った女の子は、晴れ着でおんぶされたことを大きくなっても覚えているだろうか。(季語歳スタッフ)
