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第14回きごさい全国小中学生俳句大会

きごさいBASE 投稿日:2025年3月31日 作成者: dvx223272025年3月31日

【大賞】
ブランコに身をまかせたら花吹雪 
江東区立数矢小学校五年 市川愛莉

【学校賞】
東京都江東東区立第二亀戸小学校

【奨励賞】
大分県大分市立大在小学校
東京都江戸川区立松江第二中学校

小山正見選
【特 選】
はじっこではえほうだいのねこじゃらし
東京都江東区立第二亀戸小学校四年 金井慧
ねこじらしは勢いのある植物だ夏のうちから生え始めぐんぐんと広がるしかし広場や校庭の真ん中には生えない反対にはじこはねこじらしの天下だこれは一つの発見かもしれない。

高跳びで最後の秋を飛びこえる
東京都江東区立東砂小学校六年 城戸秀真
六年生最高学年で迎えた秋だろう最後の陸上競技会だバに向かてスタトを切る未来へ向けてのジンプだバを超えられるか秋の澄み切た空が目に映る。

ブランコに身をまかせたら花吹雪
東京都江東区立数矢小学校五年 市川愛莉
一瞬この句が目に飛び込んできた美しい光景だそうかブランコに身を任せると花吹雪になるのだまるで魔法のようではないか何かをすると何かが起こる花吹雪は奇跡だ未来は奇跡に満ちている。
【入 選】
母の日にてれくさくてもわたす花 高知県土佐市立高岡第一小学校四年 井上紗瑚
ぬけがらの数だけ夏の声になる 東京都江東区立第二大島中学校一年 髙井翼冴
あきの町中央線でかけぬける 東京都杉並区立東田小学校六年 江口華生
清水の舞台の上で夏を見る 東京都足立区立花畑中学校三年 木村美月
夕やけが体の中にしみていく 東京都江東区立数矢小学校三年 阿部希美
冬が来る一人はいるぞ半ズボン 東京都江東区立数矢小学校四年 長尾時暉
文化の日とにかく分厚い玉子焼き東京都江東区立第六砂町小学校六年橋本壮史
【佳 作】
神無月だれの物でもない広場 神奈川県川崎市立住吉小学校三年 中藤千晴
赤とんぼ人差し指を通り過ぎ 東京都江東区立越中島小学校六年 山田咲
あきのあめぞうがめのそりあるいてる 東京都江東区立第二亀戸小学校一年 前田佳穂
虹が出てすごいすごいとひとりごと 高知県土佐市立高岡第一小学校六年 片山輝将
きなこパン歯がぬけそうな冬の朝 東京都江東区立浅間竪川小学校三年 石坂大和

髙田正子選
【特 選】
りかしつに目高がいるよ生まれてた
東京都立立川国際中等教育学校附属小学校二年 亀﨑梨那
理科室の水槽を毎日のぞいていたのでしうそして今日卵がかえて小さな小さな目高が泳ぎ回ているのを発見急いで友だちや先生に知らせに行きましたその時のことばがそのまま詩のことばでしたね。

渡り鳥未来の風が吹いてくる
大分県大分市立大在小学校六年 松本未緒
遠い北の国から鳥が渡てきます何か未知のものを連れてくるようだ と思たのでしうか 鳥のふるさと北国の風は過去その翼が起こす風は現在そうしてここへは未来の風を連れてくるという発想がすばらしいです。

ずぶぬれになてもにじをわたりたい
群馬県高崎市立城東小学校四年 佐藤友哉
雨あがりなどに太陽と反対側の空にかかるのがにじ 見つけるとうれしくなて渡てみたい足はどこにあるのかと思います作者はさらにずぶぬれになてもと強く願いました ずぶぬれこの発想がすばらしいです。
【入 選】
みやこじま海からみたんだ天の川 東京都江東区立第二亀戸小学校四年 大沢遥斗
一夜だけ町が明るい夏祭り 東京都江戸川区立松江第二中学校三年 山中美空
ひまわりは手を振るように揺れている 兵庫県南あわじ市立志知小学校六年 宮本旺育
堂々と死んで動かぬかぶと虫 大分県大分市立大在小学校六年 太田美結
夕焼けをタチしている鬼ごこ 大分県大分市立大在小学校 六年 梅木琉莉
のどすべる花の香りやラ・フランス 東京都江東区立深川小学校五年 神戸瑛吉
みのむしのすがたになりてねむるよる 神奈川県大磯町立大磯小学校四年 宇野美咲
【佳 作】
終戦日最後に一つかげおくり 東京都八王子市立長房中学校三年 加藤遼
Q生きている?Qもしやまだ飛ぶ?A蝉次第 東京都渋谷教育学園渋谷中学校二年 横田瑛
スイカ食う僕の姿はカバみたい 香川県三豊市立詫間中学校三年 森瑛太
保健室のベドの白さ冬日和 東京都中央区立月島第一小学校五年 前田美波
チューリップ地面に虹が咲いていく 東京都豊島区立池袋本町小学校六年 江藤千夏

飛岡光枝選
【特 選】
ずぶぬれになてもにじをわたりたい
群馬県高崎市立城東小学校四年 佐藤友哉
雨が上がろうとする空にかかる虹 ずぶぬれで虹を見た時のウキウキした気持ちが読む人に伝わります歌詞にもなている虹をわたるという聞きなれたことばがこの句ではしんせんに感じます。

赤とんぼ色んないろでとんでいる
東京都江東区立深川小学校二年 岡見蛍
ふつう赤とんぼは赤いと思いますでも作者は赤は赤でもいろいろな色があることを見つけました夕日に染またあざやかな赤くもりの日のくらい赤それは見る人の気持ちによても変わる色かもしれません。

堂々と死んで動かぬかぶと虫
東京都大分市立大在小学校六年 太田美結
堂々と死んでがりぱですこわいしできたら考えたくないことかもしれない死と作者は真正面から向き合ていますそして動かぬと今のかぶと虫の様子をしかりと描いています。
【入 選】
こうていのつんつんとがるふゆ木のめ 東京都葛飾区立新宿小学校一年 加藤楽翔
公園で前かごにひらり冬落葉 東京都江東区立平久小学校五年 浅野桜
どんぐりがあきをしらせにおちていく 東京都江東区立川南小学校二年 池田凛
しゅくだいをやりたくないよあぶらむし 東京都立立川国際中等教育学校附属小学校二年 陳天一
図書館へ行こうと思て入道雲 東京都新宿区立愛日小学校 六年 栗山佳音
ゆるやかにうきわにのってそらをとぶ 鹿児島県鹿児島市立坂元中学校二年 上園月渚
鬼ごこバラのトゲが刺さりそう 福岡県福岡雙葉中学校三年 渡辺琴葉
【佳 作】
炎天下8月9日長崎に 東京都新宿区立愛日小学校六年 宇崎純平
ぬけがらの数だけ夏の声になる 東京都江東区立第二大島中学校一年 髙井翼冴
夏休み祖父母のねこがおでむかえ 茨城県日立市立助川小学校六年 黒澤七海
赤とんぼ人差し指を通り過ぎ 東京都江東区立越中島小学校六年 山田咲
夏休み頭よくなるペンを持つ 東京都江戸川区立松江第二中学校三年 泉海斗

長谷川櫂選
【特 選】
くわがたがあるいてくるよグラウンド
富山県高岡市立伏木小学校一年ダシルバマテウス
怪獣のように巨大なクワガタムシがここにいるくわがたがあるいてくるよのあといきなりグラウンドといたところがよかた俳句だから描けた世界。

ブランコに身をまかせたら花吹雪
東京都江東区立数矢小学校五年市川愛莉
ブランコをこぎながら花吹雪を浴びているのだが自分も花吹雪になてしまた言葉でしか描けない世界。

さるのかおまかになてあきのかぜ
東京都江東区立第二亀戸小学校一年中島遙希
ニホンザルの真赤な顔あきのかぜがとてもうまいこのあきのかぜは芭蕉のあかあかと日はつれなくも秋の風を思わせる。

【入 選】
キャプファイヤーみんなでつなぐ最後の手 東京都葛飾区立新宿小学校六年 入江奏介
あきの町中央線でかけぬける 東京都杉並区立東田小学校六年 江口華生
飛行機を食べたふりした入道雲 東京都 江東区立第二亀戸小学校六年 小沼侑剛
赤とんぼ人差し指を通り過ぎ 東京都江東区立越中島小学校六年 山田咲
雪だるま外から見つめるぼくの家 東京都足立区立花畑第一小学校五年 青木寿陽
寒いなあ白い言葉で友を待つ 山口県立高森みどり中学校二年 須田青慈
みつばちは菜の花見つけ一直線 群馬県高崎市立城東小学校四年 大澤汐莉
【佳 作】
高跳びで最後の秋を飛びこえる 東京都江東区立東砂小学校六年 城戸秀真
おばあちゃんたけのほうきのあきのあさ 東京都江東区立第六砂町小学校一年 小林悠真
えんぴつにとまらせているせみのから 東京都葛飾区立新宿小学校三年 成田花音
堂々と死んで動かぬかぶと虫 大分県大分市立大在小学校六年 太田美結
サイダーはのどのおくまでさわいでる 高知県土佐市立高岡第一小学校五年 麻岡花蓮

6月21日 きごさい+は 「鮎の話=釣り、味、歴史」

きごさいBASE 投稿日:2025年3月28日 作成者: dvx223272025年3月31日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」
6月のきごさい+の講師は釣り雑誌『つり人社』会長で、鮎と鮎釣りをこよなく愛する釣り人、鈴木康友さん。
どうぞぜひご参加ください。
講演の後、句会もあります。 選者:鈴木康友、西川遊歩、長谷川櫂

日 時 : 2025年6月21日(土) 
13:30~16:00 
演 題 : 「鮎の話=釣り、味、歴史」
講 師 : 鈴木 康友 (すずき・やすとも)                          

プロフィール:  
1949年生まれ。1971年つり人社入社。月刊『つり人』の編集に携わり、後に編集長として幅広いジャンルの釣りを取材する傍ら、バスフィッシュング『Besser』(1886年)、フライフィッシング専門誌『Fly Fisher』などを創刊し、編集長を兼任。また、40年に及ぶ人気別冊シリーズ『鮎釣り』、『鮎マスターズ』などの創刊も手がける。
2014年代表取締役会長就任、(財)日本釣りジャーナリスト協議会会長、公益財団法人 日本釣振興会副会長、日本友釣り同好会会長、日本友釣り会連盟会長、日本渓流釣連盟会長、東京はぜ釣り研究会会長、JKG(ジャパンナイフギルド)会長など。また、釣り人としても高い評価を受けている。

講師からのひと言
 鮎は日本で古来より愛されてきた美しく美味しい魚です。そして簡単には釣れないところが釣り人を夢中にさせます。
 当日はこんな切り口でお話ししたいと思います。
◎鮎は清澄な川で釣る? 
◎エサを食わせない珍しい釣り=友釣り 
◎ドブ釣り、コロガシ釣り、サクリ釣り、ルアー釣り
◎スペースシャトルの完成を早めた鮎竿
◎斧と剃刀の差
◎人生を台無しにするほど魅力的な鮎釣り  
◎川ごとに異なる鮎の味

2025年6月21日(土) 13:30~16:00  (13:15~ Zoom入室開始)
13:30~14:45  講演
14:50~15:20  句会(選句発表)
15:20~16:00  西川遊歩(きごさい理事)との対談、質疑応答

<申込み案内>
1. 参加申し込み 6/12(木)まで:  ここをクリック して申込みフォームからお申込みください。 
2. 参加費:きごさい会員:1,000円  会員外:2,000円 会費の振込先は後ほどメールでお知らせします。
3. ズームのURL、句会の入力フォームのURLは、申込みをされた方に6/16頃までにメールで配信致します。かならずご確認ください。
4. 句会:当期雑詠5句 前日投句です。 選者:鈴木康友、西川遊歩、長谷川櫂
前日6/20(金) 17時までに所定のフォームから投句。ただし句会の参加は自由です。

ズームを使ったオンライン講演会です。6/12(木)までに参加申し込みをして、6/16頃メールで配信するズーム入室URLなどの案内をご確認いただかないと、当日視聴できません。よろしくお願いいたします。

きごさい 第十七号が出ました

きごさいBASE 投稿日:2025年3月23日 作成者: dvx223272025年3月23日

特集 なぜ連体形止め?
詩歌語としての近現代文語 川本千栄
俳句の文語        片山由美子
『キマイラ文語』を読む  趙栄順
擬似文語俳句の成り立ち  腰英樹
連体形止めの例句     高橋真樹子選
*
麗しき島を詠む-「台北俳句会」と台湾の季語について 李哲宇
俳句の魅力-飯田龍太より 井上康明
私を支えた龍太の言葉 長谷川擢
近代メディアがっくった季節行事-初詣、甲子園野球、除夜の鐘 平山昇
連載 加藤楸邨×大岡信 対談⑤ 句集『起伏』について 構成・解説 西川遊歩
*
きごさい十(講座)
中日文化交流における漢俳と俳句      董振華
心ときめく雛祭りの菓子          中山圭子
韓国の四季と生活-ソウル俳句会の俳句から 山口禮子
硯がひらく世界              雨宮弥太郎
*
動物季語の科学的見解 鳥類(秋・冬)   藤吉正明

恋の俳句大賞(2024年後期)大賞はなし

きごさいBASE 投稿日:2025年2月15日 作成者: dvx223272025年2月15日

【大賞】
該当作なし

☆村松二本 選
【特選】 
吾輩は恋猫といふ猫である      安藤亮
騙されてあげると決めた雪の夜    江川ゆみ
湯上りの君に触れれば蜜柑の香    野原めぐみ
【入選】 
さらさらの髪の匂ひや夕端居     千葉文智
こえがしてあなたの匂い昼寝覚    悠雲憂季
恋をしてすこし太つて風光る     綾竹あんどれ
ネクタイを緩める仕草冬紅葉     倉森愛華
着ぶくれて君の気持ちが分からない  深谷健

☆趙栄順 選
【特選】 
不器用な恋つらなって葱の汁     八田昌代
おかはりのビール三杯まだ言へぬ   綾竹あんどれ
湯上りの君に触れれば蜜柑の香    野原めぐみ
片恋を隠し続けるサングラス     折田祐美子
ほっといて涙のわけは大夕焼     江川ゆみ
【入選】 
待ち合わせアイスティーも泣いている 古久保咲良
こちらから別れを告げて火が恋し   えな
一通のメールで終わる恋九月     益田信行

☆長谷川櫂 選
【特選】 
待つことはゆふぐれ色の毛布に似   蓮井理久
はつ恋の気泡さざめくソーダ水    桜鯛みわ
僕は雨君は太陽夏に入る       安藤亮
【入選】 
さらさらの髪の匂ひや夕端居     千葉文智
今彼も元彼もいる夏期講座      折田祐美子
りんどうを肩ポケットにくれし人   山下環
決心はあの日の言葉雪つぶて     藤岡美恵子
風花になりてあなたの窓辺まで    花咲明日香
忘れ得ぬ君とカウチンセーターと   岡山小鞠
編みかけのセーターほどく恋終る   円美々
霰降る時に一緒に居たい君      えな
一通のメールで終わる恋九月     益田信行
前髪を1ミリ切りすぎる夜長     深谷健
着ぶくれて君の気持ちが分からない  深谷健
どの恋も真剣でした秋の風      大塚かずよ

「動物季語の科学的見解(鳥類二回目)」を追加しました

きごさいBASE 投稿日:2024年11月16日 作成者: dvx223272024年11月17日

 東海大学教養学部の藤吉正明先生による「動物季語の科学的見解」の追加です。三回目は秋と冬の鳥類の42季語、

稲雀(いなすずめ)、鶉(うずら)、啄木鳥(きつつき)、鴫(しぎ)、鶺鴒(せきれい)、鷹渡る(たかわたる)、鴇(とき)、入内雀(にゅうないすずめ)、椋鳥(むくどり)、鵙の贄(もずのにえ)、仙入(せんにゅう)、懸巣鳥(かけす)、燕帰る(つばめかえる)、あとり、交喙鳥(いすか)、頭高(かしらだか)、雁(かり)、しめ、田雲雀(たひばり)、鶫(つぐみ)、鶴来る(つるきたる)、鶲(ひたき)、鵯(ひよどり)、鶸(ひわ)、猿子鳥(ましこどり)、連雀(れんじゃく)、海雀(うみすずめ)、鴛鴦(おしどり)、鳰(かいつぶり)、鴨(かも)、鷹(たか)、田鳧(たげり)、千鳥(ちどり)、鶴(つる)、隼(はやぶさ)、梟(ふくろう)、冬鷺(ふゆさぎ)、鷦鷯(みそさざい)、木菟(みみずく)、都鳥(みやこどり)、鷲(わし)、白鳥(はくちょう)

 以上季語の解説が新しくなりました。ぜひ、お読みください。今後は、爬虫類、昆虫、魚類などについての改訂も予定しております。
 なお、今回の改訂にあたって引用及び参考にした文献は以下の通りです。

引用及び参考文献
・叶内拓哉・浜口哲一(二〇〇八)新装版山渓フィールドブックス十五野鳥、山と渓谷社
・小林桂助(一九九六)エコロン自然シリーズ鳥、保育社
・小宮輝之(二〇一〇)増補改訂フィールドベスト図鑑日本の野鳥、学研教育出版
・高野伸二(二〇一五)増補改訂新版フィールドガイド日本の野鳥、日本野鳥の会
・高野伸二(一九九六)山渓カラー名鑑日本の野鳥、山と渓谷社・トキ野生復帰検討会
・戸塚学・箕輪義隆(二〇一二)身近な野鳥観察図鑑、文一総合出版
・中村登流・中村雅彦(一九九五)原色日本野鳥成体図鑑(水鳥編)、保育社
・中村登流・中村雅彦(一九九五)原色日本野鳥成体図鑑(陸鳥編)、保育社
・新潟県トキ保護募金推進委員会
・日本のレッドデータ検索システム
・日本野鳥の会
・松田道生(二〇〇八)日本の野鳥図鑑、ナツメ社
・本山賢司・上田恵介(二〇〇六)鳥類図鑑、東京書籍

2025年最初のきごさい+は1月18日 「一茶に見るわが国の園芸文化」

きごさいBASE 投稿日:2024年11月12日 作成者: dvx223272025年1月22日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」
年明けのきごさい+の講師は社叢学、園芸文化史がご専門の賀来宏和さん。
どうぞぜひご参加ください。
講演の後、句会もあります。 選者:賀来宏和(邊庭)、長谷川櫂

日 時 : 2025年1月18日(土) 13:30~16:00 
演 題 : 「一茶に見るわが国の園芸文化~世界最高水準の園芸文化とその庶民性~」
講 師 : 賀来 宏和 (かく・ひろかず)                          

プロフィール:  
1954年福岡県生まれ。「古志」会員。俳号「邊庭」。千葉大学園芸学部及び同大学院修了後、建設省(現国土交通省)に奉職。十三年後に退官、独立して会社設立。建設省時代に、1990年の「花の万博」を担当。会社時代は、2004年の「浜名湖花博」総合プロデューサーなど、花の催事や施設などの企画運営に参画。現在、千葉大学大学院客員教授。NPO法人社叢学会理事、NPO法人日本園芸福祉普及協会理事。専門分野は社叢学、園芸文化史など。千葉県流山市の公の施設「一茶双樹記念館」の管理運営に携わる中で、俳句や一茶の勉強を始め、その成果を昨年『一茶繚乱―俳人 小林一茶と江戸の園芸文化―』として上梓。

講師からのひと言
江戸期のわが国には、当時の地球上における最高水準の園芸文化が花開いておりました。幕末に訪れた外国人はその様子を驚嘆の目で記録しています。その特徴の一つは庶民性ですが、一茶が活躍した江戸後期は、その庶民性が絶頂に達した時代でした。
 生涯二万句といわれる一茶の句のうち、植物を季題とする発句は四千四百句余りあります。一番多い植物は何でしょう?その発句の中には、当時の人々が植物を観賞し、また、育てる様子が見事に描かれています。
 往古から日本人はどのように花や緑を愛でる文化を育てて来たのか、そして一茶の時代、庶民と花や緑はどのように接していたのか、その発句から覗いてみたいと思います。

2025年1月18日(土) 13:30~16:00  (13:15~ Zoom入室開始)
13:30~14:45  講演
14:50~15:20  句会(選句発表)
15:20~16:00  長谷川櫂(きごさい代表)との対談、質疑応答

<申込み案内>
1. 参加申し込み 1/9(木)まで: 

11/16(土) Zoom でHAIKU+、講師は井上康明さん

きごさいBASE 投稿日:2024年10月12日 作成者: dvx223272024年11月12日

「HAIKU+」は、現在ご活躍中の俳人・俳句研究者をお迎えして、「俳句で今何が問題か」という統一テーマで、俳句の未来を考える催しです。
今回の講師は俳人で「郭公」主宰の井上康明(いのうえ・やすあき)さん。
遠方の方も参加しやすいZoomを使ったオンライン講演となります。
Zoomは初めてという方も、パソコン、スマートフォン、タブレットを使用されていれば、比較的簡単に視聴できます。ただし事前に参加申し込みが必要です。詳細は下記の<申込み案内>をご覧ください。

日 時: 2024年11月16日(土) 13:30から

演 題 : 俳句の魅力 ―飯田龍太よりー

講 師:  井上康明(いのうえ・やすあき)

<プロフィール>  
1952年、山梨県韮崎市生まれ。山梨大学卒。俳誌「郭公」主宰。句集に『四方』『峡谷』。著作に『山梨の文学』(共著)など。県立高校教諭を経て山梨県立文学館に勤務。二十代で俳句を始め飯田龍太、廣瀬直人に師事。「雲母」会員、「白露」同人を経て現在に至る。毎日俳壇、山梨日日新聞俳句欄選者。NHK学園俳句倶楽部講師。各種俳句大会選者。俳句に「ふかふかの手袋が持つ通信簿」など。

<講師よりひと言>
  飯田龍太の俳句について、その生涯の作品から特に第一句集から第10句集へ進んでいく様子について話題にしたいと思います。龍太は何を詠んだのか、なぜそれを詠まなければならなかったのか、同時に龍太は散文も多く書いた俳人でした。龍太にとって散文は何だったのか考えてみたいと思います。

2024年11月16日(土)
13:15 Zoom入室開始
13:30~15:00 講演 
15:00~15:45 木下洋子(きごさい編集委員)との対談、質疑応答     

恋の俳句大賞(2024年前期)大賞は田中さん

きごさいBASE 投稿日:2024年8月5日 作成者: dvx223272024年8月6日

【大賞】
白息のあふるるたつたひと言に 田中目八
【作者のコメント】
 普段恋の句を詠むことはないのですけれど、ラブコメや切ない話が好きで『恋の俳句大賞』を知ってから毎回応募し続けていました。折しも誕生日を迎えて友人たちにお祝いしてもらった翌日、大賞の連絡にプレゼントをいただいた心持ちです。これからも恋の句を追いかけてゆきたいと思います。ありがとうございました。
【選評 趙栄順】
 大賞受賞,おめでとうございます。彼,彼女への熱い思いは,白い息となってあふれる。そして思いは,たったひと言に結ばれる。たったひと言,何と言ったか。それは,それぞれの読み手の想像に任される。想像によって詠まれ,想像によって読まれる。短詩文芸の理想型。

☆村松二本 選
【特選】 
サルビアをくわえるごとき愛撫かな 箔塔落
堕ちてゆく覚悟を決める花火かな  益田信行
【入選】 
あの人が灰になるまで春の夢    折田祐美子
蛍の夜このままゆけばゆきどまり  三上悦子
かみなりに奪はれまいと抱きしめる 田中目八
君のへそ鍵穴みたい夜のプール   げばげば
ラブレターひと晩冷やす冷蔵庫   八田昌代

☆趙栄順 選
【特選】 
結婚をしようか君と豆ごはん    綾竹あんどれ
夏、君を冷凍したいぐらい好き   深谷健
初浴衣君になるまで君を待つ    城内幸江
恋をして体浮きたる柚湯かな    綾竹あんどれ
白息のあふるるたつたひと言に   田中目八
染まりたく染まりたくなく白木槿  春海のたり
【入選】 
雨の日の蜜豆恋は実りそう     矢作輝
曼殊沙華悪い男と判りつつ     若林明良
駈けてくるバレンタインの夜の君  加々美登
恋に落ち恋に溺れる夏休み     山川成久
最後の恋だよ飛び込みの大飛沫   蓮井理久
もう一度君にふられてみるビール  綾竹あんどれ

☆長谷川櫂 選
【特選】 
玉の汗引くを待たずに告げにけり  田中目八
ケンカしてはなれて同じ街に虹   悠雲憂季
初恋の真っ最中の受験かな     森 佳蓮
【入選】 
日焼けした腕と寝癖とあと全部   げばげば
風花が君の睫毛にふれて恋     綾竹あんどれ
君といた夏よ沈まぬ太陽よ     江川ゆみ
君のへそ鍵穴みたい夜のプール   げばげば
包丁も悲恋の証夏芝居       貴田雄介
ラブレターひと晩冷やす冷蔵庫   八田昌代

10/19 (土) ズームできごさい+ 「麗しき島を詠む」

きごさいBASE 投稿日:2024年7月29日 作成者: dvx223272024年11月12日

さまざまなジャンルから講師をお迎えして季節や文化に関わるお話をお聞きする「きごさい+」
今回の講師は、名古屋大学大学院で戦後の日台俳壇についての研究をされている李哲宇さんです。
どうぞぜひご参加ください。
講演の後、句会もあります。(選者:李 哲宇、飛岡光枝、長谷川櫂)

日 時 : 2024年10月19日(土) 13:30~16:00
演 題 : 麗しき島を詠む――「台北俳句会」と台湾の季語について
講 師 : 李 哲宇 (リ テツウ)

プロフィール:
1996年台湾台北市生まれ、新北市出身。2018年台湾輔仁大学日本語学科を卒業。2021年台湾輔仁大学日本語学科修士課程で修士号を取得。現在、名古屋大学人文学研究科日本文化学講座博士後期課程在学中。戦後の日台俳壇の交流について博士論文に取り組んでいる。「台北俳句会」会員、「春燈」会員、「耕・KŌ」会員、「台湾川柳会」会員、「俳人協会」会員。
俳句のほか、「私から見た金沢、日本とは」(留学生エッセイコンテスト、金沢香林坊ロータリークラブ主催、2018年、最優秀賞)、「季節の美」(『春燈』7月号、春燈俳句会、2023年、p. 39)等のエッセイもある。現在は都道府県を回りつつ、記録としての俳句及び紀行文を残すことを目指している。

講師からのひと言
中国語、台湾語などの発音でルビを振るものや春夏秋冬を使わない分類法で表現する。もしこのような季語があれば、かなり想像しがたいであろう。しかし、日本に近いようで遠い南国の台湾では、このような「台湾季語」が存在する。加えて、独特な匂いがする「臭豆腐」、台湾における白色テロの発端である「二二八」、魚だがサバではない「サバヒイ(虱目魚)」などの解説文を読まないと分からない項目も見受けられる。様々な独自性を持つ「台湾季語」は、どうして創り出されたか、どう詠まれたかなどの問題は、日本人にとっても、台湾人にとっても難しく、複雑に思われるであろう。これもまた台湾季語と台湾の俳句の魅力だと、私は思う。

2024年10月19日(土) 13:30~16:00  (13:15~ Zoom入室開始)
13:30~14:45  講演
14:50~15:20  句会(選句発表)
15:20~16:00  飛岡光枝(きごさい編集委員)との対談、質疑応答

ズームを使ったオンライン講演会です。10/10(木)までに参加申し込みをして、10/15頃メールで配信するズーム入室URLなどの案内をご確認いただかないと、当日視聴できません。よろしくお願いいたします。

7月 きごさい+報告 「硯がひらく世界」 

きごさいBASE 投稿日:2024年7月14日 作成者: dvx223272024年7月17日

7月6日、第35回きごさい+がズームで開催されました。

「硯がひらく世界」       甲斐雨端硯本舗13代目硯匠 雨宮弥太郎

〇雨畑硯の歴史
雨畑硯は山梨県南部早川町雨畑にて産出される石で当家初代雨宮孫右衛門が元禄3年(1690年)身延山参詣の途上黒一色の流石を広い作硯した事に始まると伝えられています。(日蓮上人高弟開祖の伝承もあり。)雨畑は山深い所であるため当時富士川舟運で栄えた鰍沢に多くの職人が集まり硯づくりが盛んになりました。そして、天明4年四代要蔵が将軍家に硯を献上するなどして雨畑硯の名が全国に高まることとなりました。
(※雨畑硯は地場産業としての一般的な表記であり「雨端硯」は八代鈍斎が中村敬宇氏よりいただいた雨宮弥兵衛家の登録商標表記です。)

〇硯造形の流れ
日本は工芸王国です。しかし石の工芸はあまり注目されてきませんでした。硯の歴史を調べてみても 多くは硯箱の意匠の変遷に重きが置かれ硯についてはほとんど触れられていません。硯の意匠について 当家に残る八代鈍斎、十代英斎の作品などをみても中国硯の強い影響が見られます。日本独自の硯の意匠は十一代静軒から始まると言えるかもしれません。 静軒は文房四宝に造詣の深い犬飼木堂翁に教えをいただき東京美術学校で彫刻を また竹内栖鳳より図案を学び 自然の風物を硯に取り入れ芸術としての硯を確立しました。 その〝間〟を重視した造形は 柔らかい硯石の質感を十二分に生かした和様の意匠です。続く十二代弥兵衛・誠の作品は抽象表現主義の影響を受けた斬新なシンプルな造形となり 硯作品にも時代の美意識の変遷を見て取る事ができます。 続く私の作品ですが父の無駄なものを極力省いたシンプルな造形をベースに〝何でもない形でありながら品格の宿るかたち〟を目指して独自のスタイルを模索しているところです。

〇硯の用途とは
硯は墨をするための道具です。 しかし本当にそれだけのものでしょうか。 焼き物で作られていた古代の硯にはどう見ても実用第一に作られたものにはみえない〝円面硯〟〝多足硯〟〝動物硯〟などが見られます。 字を書くという事が特別であった時代の〝権力〟〝祈り〟への想いがあるように感じられます。 また中国に見られる文房飾り。実用以上に文人の理想の境地の表現です。ここでは硯は一番の主役でした。 知的に自分を高めるための存在だったのではないでしょうか。
私は 硯は〝墨を磨るうちに心を鎮め 自分の内面と向き合うための道具〟と捉えています。いわば〝精神の器〟として現代の造形としての可能性を感じています。
では、硯が硯として成立するためにはどんな条件が必要でしょうか。私は良石に平らな面さえあれば充分だと考えています。 そして そこさえ押さえておけば かなり自由度の高い造形が可能です。 さらに墨が溢れにくいように縁が生じ 磨った墨をためる窪みの出現など 現在のスタンダードな硯の形が完成しました。この硯の形の成立には今では当たり前のスティック状の〝墨〟の完成が必須でした。 この硯の形の完成は唐代のことと言われ現在でも〝唐型硯〟というスタイルで定着しています。

〇硯石について
雨畑の石は良質な粘板岩であり岩石が生成される際の圧力によって板状に生成されるはっきりとした石目をもった素材です。 その際に雲母、石英といった硬質な微粒子が均一に発生し、この〝鋒鋩〟と呼ばれる粒子が墨を磨る硯の生命です。 適度な硬度の石質であると長く使用していても最適な〝鋒鋩〟が保持される。これが何よりも大切な硯石の条件です。 しかし自然生成された素材ですので異物が混入していたり 傷が多い石が殆どです。雨畑には粘板岩状の山肌が沢山見られますが硯に適した良材は限られた層から産出される貴重なものです。
この原石を硯にするには まず上下面をタガネ→鑿→砥石を用いて水平とし板状に整えます。 切断機、砥石等を用いてさらに外形を整え、多様な刃先の鑿を用いて墨堂、墨池(陸、海)を掘り進めます。 次に砥石を用いて磨いていきます。 〝磨き〟といっても ただつるつるに磨き上げるのではなく何よりも最適な〝鋒鋩〟に整える事が大切です。 最終的に墨ぬりをへて墨堂墨池以外の硯まわりを拭き漆で炭の微粒子を定着させてブラシで拭き上げて艶を出して仕上げます。

〇私の作品制作について
作品制作においてはまず明確なイメージを持つ事が大事になります。そのイメージの形を頭の中で三次元で回転させて多方向からも形がイメージできるように練り上げます。 大切なのは頭の中で形が周りの空間ごと ひとつの風景として再現できるかという事です。 次にそのイメージが現実化できそうな原石を探します。この時に自分のイメージした形がそのまま実現できる大きさ、プロポーションの原石はほぼ無いのが現実です。なんとか形になりそうな素材を選びイメージと原石をすり合わせながら制作を進めていきます。 はじめから思い通りにいかない状態からイメージだけを頼りに制作を進めます。まるでアドリブを積み重ねるジャズの演奏のように その模索の時間こそが制作の喜びです。その不確定な制作の最中に当初思い描いていなかったようなものがまるで天の啓示のように湧き上がってくることもあります。この天からの啓示を引き寄せる力 柔軟に対応して最終的には自分の形にできるという自信のようなものが 今まで自分の培ってきた造形力(創造性)なのだと私は考えています。
しかし、工芸会の別の素材の作家との会話から創造の過程には別な形がある事も発見しました。その作家は制作当初に厳密な設計図を描きそれが完璧に実現出来る事が素晴らしい制作工程だと話していました。私と全く違う考えですが、その一枚の設計図には深い経験が反映されていると考えられます。私も日々の生活の中で路上の枯葉に新しい造形要素を発見するなど 目にする全てのものを硯造形に引き寄せて見てしまう習慣があります。
そういった観察の蓄積が作品イメージに結実していく。 日々の習慣と経験が創造力の源だという点では同じなのかもしれません。

〇これからの〝硯〟
硯の未来を考えるうえで こんな現実があります。 毎年 小学生50名ほどが伝統文化を学びにやって来るのですが殆どの子ども達が硯が墨を磨る道具である事を知らないのです。 現在の小学生の書道セットに入っている硯は樹脂制でほぼ墨汁をためる為だけに使われています。そのために実際に石の硯で墨を磨った経験のある子は僅かだろうとは思っていましたが そこまでとは驚きでした。そこで現在は実際に硯で墨を磨ってもらうワークショップを積極的に開催しています。墨を磨る時の感触、香などで気持ちが落ち着く時間を体験し、磨った墨で描いてもらうことで墨汁とは違った多彩な色合いを発見してもらいます。墨汁を使った書道の時間も入門として大切ですが 実際に石の硯で墨を磨る豊かさは心に残ってくれると信じています。 〝文化としての硯〟を今後とも伝承していきたいと思います。
硯を現代の造形として広める事も私の夢です。硯に向き合う事は禅の石庭に瞑想することと同義である事 いわば〝ZEN. STONE〟として海外にもアピール出来たらと思っています。硯の存在は地味で小さなものですが日本文化を支える大事な要素として広めていけるよう精進を重ねたいと思っています。

<句会報告> 講座の後、句会が開催されました。選者:雨宮弥太郎、西川遊歩、長谷川櫂
雨宮弥太郎 選
【特選】
硯より湧くこゑを聞く楸邨忌        西川遊歩
月涼し心はさらに墨磨れば         齋藤嘉子
悠久の時を削りて硯とす          上田雅子
滴りやみるみる目覚め大硯         西川遊歩
空掴む吾子の掌新樹光           丸茂秀子
【入選】
月一つ沈めて深き墨の海          三玉一郎
遠き日の墨磨る父や星祭          鈴木美江子
文鎮と硯の重み夏休み           奈良握
漂泊の硯の寓居月涼し           西川遊歩
魂の涼しと思ふ硯かな           きだりえこ
うち澄まし硯にうつす梅雨の月       足立心一
手のひらにあたたかくある硯かな      高橋慧
星涼し今宵夜空を硯かな          葛西美津子
遺されし硯一片夏の雲           飛岡光枝
墨磨れば香の運びくるはるか夏       越智淳子
墨書てふ虚実のあはひ沙羅の花       長谷川冬虹
青墨の涼一文字や夏座敷          金澤道子

西川遊歩 選
【特選】
月一つ沈めて深き墨の海          三玉一郎
涼しさの甲斐に硯の海ひとつ        イーブン美奈子
青山河研ぎ出したる硯かな         齋藤嘉子
一つ葉に目をやすめては硯彫る       長谷川櫂
山滴るその一滴を硯とす          齋藤嘉子
月涼し墨摩るほどに心澄み         木下洋子
【入選】
滴りの滴一滴と硯磨ぐ           葛西美津子
涼しさや硯の海をわたりゆき        イーブン美奈子
遠き日の墨磨る父や星祭          鈴木美江子
青梅雨の窓に籠りて硯彫る         葛西美津子
ならまちや墨の香のたつ麻のれん      きだりえこ
魂の涼しと思ふ硯かな           きだりえこ
滴りのただ一滴の硯かな          三玉一郎
迸る井戸のポンプに硯洗ふ         越智淳子
手のひらにあたたかくある硯かな      高橋慧
浮葉より硯の海へひと雫          きだりえこ
筆硯濯ぎてよりの夕涼み          きだりえこ
青墨の涼一文字や夏座敷          金澤道子
雄勝石戴く駅舎梅雨曇           足立心一
大いなる硯に山の滴りを          木下洋子

長谷川櫂 選
【特選】推敲例あり
硯より湧くこゑ聞かん楸邨忌        西川遊歩
青山河研ぎ出したる硯かな         齋藤嘉子
滴りやみるみる目覚め大硯         西川遊歩
【入選】
滴りの滴一滴と硯磨ぐ           葛西美津子
初盆やそのままにある硯箱         鈴木美江子
くろぐろと春一文字初硯          三玉一郎
翠巒に対すがごとく硯あり         齋藤嘉子
明易やしんと雨畑硯あり          飛岡光枝
一片の蓮の花びら硯かな          飛岡光枝
墨磨つて今日の一文字夏休み        飛岡光枝

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今夜はご馳走 五月:新ごぼうとチーズのチップ

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