第13回学校俳句交流会レポート~長谷川櫂先生を迎えて~

12月6日(土)。第13回を迎える学校俳句交流会の会場となった江東区立八名川小学校の図書室は熱気に包まれていた。
50人を超える参加者に椅子やテーブルが足りなくなり、急きょ、隣の教室からスタッフが椅子を運び入れるほどだった。
日本学校俳句研究会代表、小山正見の挨拶の後、早速、実践報告が始まった。今回の実践報告は、葛飾区立木根川小学校の教諭、木原小百合先生が務めた。木原小百合先生は、教員3年目のフレッシュな先生でありながら、教室や学校で俳句指導を実践されている。実践報告では、木原学級の子ども達が1年間の季節の移り変わりの中で詠んだ、折々の俳句が写真とともに紹介された。それはさながら、子ども達の成長アルバムのようであった。
そして、いよいよ長谷川櫂先生の講演である。櫂先生は、まず冒頭で「人生を山のような放物線上に考えるのは、経済効率的人生観である」と危惧された上で、それぞれの年代・世代に華があり、それぞれの年代を充実して生きるという考え方が大切であり、それが「生涯教育」であると力説された。会場の多くは学校関係者である。櫂先生の人生観に、教育に携わる者として大きく頷く姿があちこちに見られ、まさに目から鱗が落ちるお話であった。
その後、芭蕉の「古池」の句のお話から、先日NHKで放映された「ようこそ先輩」の様子などを紹介されながら、俳句で大切なのは「耳を澄ませる」ことであると話された。「耳を澄ます」ことは、「情報源を限定すること」であり、「想像を活性化すること」である。だから、吟行後に「もう一度俳句を見直し、心の世界と向き合うこと」が大切であると結ばれた。
学校現場で子ども達が俳句を作ると、同じような句が並ぶことがある。私たちはそんな日常を目の当たりにしているだけに、櫂先生のお話は、「まさに、納得」の一言であった。
想像力がオリジナリティーを作る。俳句に「心の世界」をどう取り入れるか。今後の学校俳句の現場での課題にしたいと強く感じた。
櫂先生のお話の後に、参加者全員で「音」を聞いて、その音からその場で俳句を作り、句会を行った。櫂先生にも句評をいただき、大いに盛り上がった。「音」は実は「黒板にチョークで何か書いている音」であったが、音から想像力を広げて詠んだ参加者最年少、現役女子高生の星野沙奈さんの
冬来る板書の音で覚めた夢
が見事、互選の第一位を獲得した。
日本学校俳句研究会幹事長 山本新
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小学一年生に、五七五を教えた木原小百合先生の報告
長谷川櫂季語歳代表の講演に先立って、葛飾区立木根川小学校の木原小百合先生の俳句授業=「はじめての俳句指導―子どもたちと喜びを分かちあってー」の報告がありました。教師2年目(昨年時)の若い先生が、ひらがなを覚えたばかりの22人の一年生の二学期から、一緒になって俳句授業を盛り上げ、進化させていくプロセスを語られ素晴らしかったです。
9月―3月の7ヶ月間。最初の9月は、あさがおが、○○○○○○○ ○○○○○ の中七、下五にことばを入れることからスタート、10月はかぶとむし、5・7・5・・・毎月テーマを変えて実施、よく見て、感じてその様子を書くことを指導する。俳句とは言わず5・7・5と言う。1月にはじめて季語について話し、句会をしたそうです。句会は友達の句のよいところを見つけること。楽しみながら、子供たちを誉めて乗せながら、5・7・5をつくる教室の現場ならではエピソードには、俳句授業の多くのノウハウが含まれていました。学年最後の3月のしんきゅう俳句には、一年生の元気と進歩が見えて笑みがこぼれてしまいました。
えんぴつをいっぱいけずってしんきゅうす K・Kさん
てつぼうのぶらぶらできてしんきゅうす A・Mさん
あやとりができてうれしいしんきゅうす M・Zさん
先生にほめてもらってしんきゅうす M・Zさん
がんばれ、木原先生!(西川遊歩記)
