ハウステンボスにて「薔薇の詩碑」21本を設置と「恋の俳句大賞」表彰式を実施
5月10日、長崎県佐世保市のハウステンボス(以下HTB)のアートガーデンで、季語と歳時記の会(以下、季語歳)が21の「薔薇の詩碑」を設置するセレモニーが行われた。過去3年、HTB内に山桜の植樹を行ってきたが、新たな企画としてばら祭り開催中のアートガーデンに、古今東西の「薔薇の詩歌」を選び、詩碑を設置することを季語歳からHTBに提案して、実現した。
薔薇の多くの種類を集めて大人気のHTBの薔薇の園に、薔薇の詩碑を立てる。うつくしい薔薇を鑑賞しながら、薔薇の詩歌を読んで、さらに深く薔薇の花を感じる!という試みである。
午前10時より、セレモニーは開始された。前例のない企画にもかかわらず、いつもより、メディアの取材者の数が多い。ひと月前の熊本地震の影響が心配される九州の観光の活性化に微力ながら力になれることを願う。長谷川櫂代表が、季語歳の季節文化の発信と薔薇の詩碑の意義について語り、HTBの高木潔専務が、詩歌と薔薇の相乗効果で薔薇園の価値が高まる、とお礼の挨拶をされた。さらに、朝長緑化建設の山下武夫氏が「私は文学の素養はないが、いただいた詩碑のリストを読み込んで、それぞれの詩碑の最もふさわしい場所を探して、設置する努力をした」とスピーチをして、拍手をあびた。
次にHTB歌劇団の椿れいらさんが、公演中の王女の衣装で登場。よく通る声で、感情豊かに薔薇の詩歌を次々に朗読して、会場を盛り上げた。「薔薇の詩歌を声に出して読むと、さらに薔薇のイメージが広がります」と長谷川代表が、コメント。白秋の詩碑を、季語歳代表とHTB専務が設置する儀式を行い、フラッシュを浴びてセレモニーは終了した。
引き続き、季語歳「恋の俳句大賞」の選者の趙英順さんが舞台に立ち、恋の俳句大賞の目的と選考について語った後、第四回の大賞受賞者の篠原隆子さんに、表彰状を授与した。第三回、第四回の大賞句のプレートは前年に引き続き園内に建てられた。
第三回大賞 初恋の真つ只中や扇風機 森 篤史
第四回大賞 君を知りきのふの恋を卒業す 篠原隆子
HTBの見学ツアーと薔薇の句会
HTBのスタッフの方が、薔薇の園をはじめとして、園内を効率よく案内をしてくださった。宮殿の美術館では、ボタニカル・アートの展示が行われていて、シーボルトの『日本植物誌』(フローラ・ヤポニカ)の本物やマリー・アントワネットやジョセフィーヌに仕えた薔薇の画家・ルドーウテの作品、さらに「フローラの神殿」などの有名作品多数、ナポレオンのエジプト遠征にも、プラントハンターが同行し、前述のルドウ―テなどが同行していたこともその展示で知った。
宿泊は話題のロボットホテル「変なホテル」、地産地消の健康レストラン「AURA」、光の滝など、HTBのこの一年間に進化した施設を視察、体験した。
午後1時からは、窓から薔薇園を一望できる部屋で、薔薇の句会を開催。地元長崎と福岡から参加された方々も加わり、五句出し五句選を二座行った。(報告:西川遊歩)
薔薇の句会 長谷川櫂選
【一座目】
特選
風に触れ雨に触れては薔薇錆びる 栄順
大輪の観覧車回る薔薇の空 遊歩
蔓ばらの花咲き上れ黒き雲 光枝
入選
雨粒の琳琅として薔薇の空 隆子
時祷書に咲くや黄金の薔薇の花 隆子
万の薔薇咲き廻りゆく地球かな 真知子
ほのぼのと汀女の句碑や薔薇の中 遊歩
一の字に薔薇を咥へて踊り出し 隆子
なつかしき人となりたる桜かな 栄順
いにしへの薔薇と呼ばれて香り立つ 隆子
薔薇の雨に冷えてやホットチョコレート 光枝
カラフルな雨傘の列薔薇の径 遊歩
【二座目】
特選
この夜の薔薇の奈落に眠りけり 光枝
入選
恵那峡の鮎に始まる旅となり 弘美
薔薇の雨薔薇の肥やしの積み置かれ 遊歩
トラックの荷台にあふれ薔薇の花 光枝
一輪の薔薇滴りて詩となりき 栄順
