リレーエッセイ005 立春 西川遊歩
二十四節気の初めの節。太陽暦では2月4日ですが、旧暦では新年とほぼ同時に巡ってくるので、春の到来と旧正月を寿ぐ気分が「春立つ」には含まれています。
先日、中国の三峡クルーズの船会社の呉さんに立春と旧正月について聞いたら、「立春のころはまだ寒いけれど、重慶でもその日から急に光が明るくなるような気がします。今年(2011年)は、春節が2月3日、立春が2月4日で、中国ではその前後1週間くらい正月休みになるので、買い物に来る中国人で銀座が溢れますね」。
事典によれば禅寺では「立春大吉」と揮毫して門に貼る習慣(とくに曹洞宗)があると知り、坂内文應さん(季語歳・副理事長)の雙璧寺を思い出し、お尋ねしましたら「ありますよ!」のご返事。永平寺の偉いお坊さんの筆の「立春大吉」だそうです。新潟では、新年に檀家さんに年賀として配られて、立春に門前に掲げられます。文應師より一枚お札を頂戴し、私の部屋に貼り春を迎えることにいたしました。聞けば、寺は雪の中。微かな春の兆しを見つけるべく我がアンテナの感度にも心して。
雨の中に立春大吉の光あり 高浜虚子
(季語歳副理事長、写真=雙璧寺のお札)

