リレーエッセイ012 こどもの日 髙田正子
いつのころだったか、こんなふうに思っていた。「こども」の日なのに、どうして男の子のお飾りだけなのかな。でもまあ、お雛さまを飾ってもらったばかりだし、二度もお祝いがあって女の子はラッキーかも、と。
すかすかした雛あられより、みっしりした柏餅のほうが好きであったし、なにしろ五月五日は学校が休みである。いつしか五月五日贔屓となっていたこどもの私。だから「端午の節句(=男の子を祝う日)」が化けただけの日と知ったときの、裏切られたような気分といったら。
今、わが家には娘がふたりいる。飾るものは無い。ならば食欲でと思えど、次女は生まれてこの方、ちまきも柏餅も食べようとしない。ならば残るはこの手しかあるまい。
さうぶ湯やさうぶ寄くる乳のあたり 白雄
長女十九歳、次女十六歳。なかなかに眩しいさうぶ湯ではある。(季語歳理事 写真=武者人形)
