リレーエッセイ013 母の日 藤原智子
「ぞうさん」は誰もが自然に口ずさむことのできる童謡だろう。
♪ぞうさん ぞうさん おはながながいのね そうよ かあさんもながいのよ
では、二番はどうだろうか?昨年、子供が一歳になる少し前に歌ってみようとしたが、歌詞を思い出せなかった。仕方がないので一番を二回繰り返して歌った。「ぞうさん」に限らず、二番以降の歌詞がうろ覚えだったり、知らなかったりする童謡は多く、気になるのでCDを借りてきた。「ぞうさん」の二番はこうだ。
♪ぞうさん ぞうさん だれがすきなの あのね かあさんがすきなのよ
「すき」という甘くまっすぐな言葉に驚く。また、自分に向けられているようでたじろいでしまう。さて、「母の日」。毎年、デパートをふらふらと歩き回った挙句、結局ささやかなお菓子に「お母さんありがとう」のカードを添えて贈るくらいしかできず、もっと上手なプレゼントができたらと思っていた。この日、本当に伝えたいのは、感謝の気持ちを超えた「すき」の一言なのだろう。でも、それは言う方も言われる方も照れてしまう。「ありがとう」もプレゼントも照れ隠しなのだ。(季語歳スタッフ 写真=カーネーション)
