通草(あけび) 仲秋
【子季語】
木通/山女/あけぶ/おめかづら/かみかづら/通草かづら/通草棚
【解説】
アケビ科の蔓性落葉低木。春に花を咲かせ、秋に淡紫色の実をつける。実は十センチほどで楕円形。果皮は厚いが、熟すと縦に大きく割れる。多数の黒い種を包むゼリー状の白い果肉は甘く美味である。
【科学的見解】
通草(アケビ)は、本州から九州の山野にふつうに見られ、昔から新芽や果実を食用として利用されてきた。近縁種としては、ミツバアケビが存在し、アケビが五枚の葉をつけるのに対して、ミツバアケビは三枚の葉を付ける。一般的に、ミツバアケビの方が果実表面の色合いは濃くなる。(藤吉正明記)
一夜さに柵で口あく木通かな
一茶「文政八年句帖」
日おさへの通草の柵や檐のさき
正岡子規「子規句集」