寒苦鳥(かんくちょう/かんくてう) 三冬
【子季語】
雪山の鳥
【解説】
インドの大雪山に棲むと言われる想像上の鳥。夜の寒さに耐えかね、こんなに寒い目をするなら、あす早速、寒さをしのぐ巣を造ろうと啼くが、いざ夜が明けると無情の世に巣など造ってなんになると言って怠けるとされる。怠けものの譬えになる鳥である。
【例句】
寒苦鳥の声に脉見る山路かな
鬼貫「野梅集」
酒買へと啼きすすむるや寒苦鳥
才麿「塵の香」
かんこ鳥は賢にして賤し寒苦鳥
蕪村「蕪村句集」
声悲し雪に幾日の寒苦鳥
伊藤松宇「松宇家集」