【子季語】
炎気、炎天下
【解説】
太陽の日差しが強く、焼け付くような真夏の空のこと。
【例句】
炎天に照らさるる蝶の光りかな
太祇「独喰」
炎天やさしくる潮の泡の音
渡牛「新選」
炎天にあがりて消えぬ箕のほこり
芥川龍之介「澄江堂句集」
炎天下くらくらと笑わききしが
加藤楸邨「颱風眼」
炎天に黒き喪章の蝶とべり
日野 草城「旦暮」
炎天の蝙蝠洞を出でにけり
原石鼎「花影」
炎天より僧ひとり乗り岐阜羽島
森澄雄「鯉素」
炎天のかすみをのぼる山の鳥
飯田龍太「春の道」
炎天の鹿に母なる眸あり
飯田龍太「遅速」
炎天や大河の底をすなどれる
長谷川櫂「果実」