扇置く(おうぎおく/あふぎおく) 初秋
【子季語】
団扇置く/捨て扇/捨て団扇/忘れ扇/忘れ団扇/団扇仕舞ふ
【解説】
秋風の通うころになって扇、団扇を必要としなくなること。立秋 が過ぎても残暑は厳しく、扇や団扇はなかなか離せないもの。扇 をしまうころには秋も一気に深まり、空気も身にしむようになってくる。
【例句】
物書きて扇引きさく余波(なごり)かな
芭蕉「奥の細道」
狩衣の袖より捨つる扇かな
蕪村「夜半叟句集」
三日月の入さの松や扇置く
道彦「蔦本集」
一杯の茶もほのぼのし扇置く
乙二「乙二発句集」
扇捨てて手を置く膝のものうさよ
正岡子規「子規句集」