【子季語】
玉真葛/玉葛/葛若葉
【解説】
葛の若葉のこと。巻葉の状態にある。
【科学的見解】
クズは、マメ科のつる性多年草で、日本各地の山野に生育する。塊根からはデンプンを、茎からはクズ布の材料になる繊維を、花はお茶の材料にされるなど、古くから人間に活用されてきた有用植物である。クズの葉は三出複葉となり、若い小葉は丸みを帯び、それら葉は日が沈むと就眠運動により小葉付け根にある葉枕が折れ曲がるため、小葉三枚が丸く玉になったように見える。その様子が玉巻く葛につながったものと推測される。(藤吉正明記)
【例句】
葛のわか葉吹き切つてふく嵐かな
暁台「暁台句集」