土用(どよう)晩夏
【子季語】
土用前、土用入、土用の入り、土用中、土用太郎、土用二郎、土用三郎、土用明
【解説】
春夏秋冬それぞれに土用はあるが、普通、土用といえば夏の土用のことである。とりわけ夏の土用が取り上げられるのは、陰陽五行や農耕と深くかかわりがあったと思われる。地方によっては、土用の間にしてはならないことなど様々な言い伝えがある。今でも土用の丑の日に鰻を食することなど、生活に深く結びついている。
【例句】
おぼつかな土用の入りの人ごころ
杉風「韻塞」
人声や夜も両国の土用照り
一茶「九番日記」
土用の日浅間ヶ岳におちこんだり
村上鬼城「定本鬼城句集」
ほろほろと朝雨こぼす土用かな
正岡子規「寒山落木」
子を離す話や土用せまりけり
石橋秀野「桜濃く」
わぎもこのはだのつめたき土用かな
日野草城「青芝」