綿取(わたとり)三秋
【子季語】
綿取る/綿の桃/綿摘む/綿摘/綿干す/綿繰/綿打/綿打弓/綿弓/綿初穂
【解説】
綿の実から綿の繊維をとること。棉は、その実が熟すと裂けて綿の繊維を吹き出す。これをとって綿と種とに分け、さらに不純物を取り除き、綿糸の原料にする。
【例句】
国富むや薬師の前の綿初尾
鬼貫「犬居士」
綿弓や琵琶に慰む竹の奥
芭蕉「野ざらし紀行」
生綿取る雨雲たちぬ生駒山
其角「陸奥鵆」
山の端の日の嬉しさや木綿とり
浪化「草苅笛」
綿取りや犬を家路に追ひ帰し
蕪村「落日庵句集」
綿とりのうたうて出たる日和かな
蝶夢「草根発句集」
門畑や下駄はきながら木わた取
樗良「几董日記」
洪水のあとに取るべき綿もなし
正岡子規「新俳句」