【子季語】
冬の花蕨/寒蕨/花蕨/日陰蕨/常蕨
【解説】
学問上の名は「フユノハナワラビ」。山野の草地にみられ、夏は 枯れて、冬になると高さ三十~四十センチになる。二種類の葉の 一つは普通の栄養葉、他は先に黄色い粟粒状の胞子をつける実葉となる。これが花のように見える。
【科学的見解】
フユノハナワラビは、北海道から九州に分布するハナヤスリ科のシダ植物である。近縁のものとしては、冬に栄養葉が紅変するアカフユノハナワラビが知られており、本州中北部と伊豆大島に稀に生じるとのことである。これらの仲間は、解毒効果を持つとされ、中国では漢方薬に利用されている。(藤吉正明記)