燕の巣(つばめのす) 三春 季語と歳時記 【子季語】 巣燕/巣乙鳥 【解説】 燕は比較的人の集まるところ、人家の軒下、橋の下などに泥や藁で巣を作る。人の集まるところには蛇や烏などの外敵が近づかないといわれる。前年の古巣に土をつけ足して作ることもある。巣ができるとそこで卵を産み、孵化させる。 わりなしやつばめ巣つくる塔の前 蕪村「新五子稿」 巣を守る燕のはらの白さかな 太祇「太祇句選」 巣乙鳥の下に火をたく雨夜かな 白雄「白雄句集」 庵室や竹のたる木に燕の巣 松瀬青々「妻木」 巣燕の悲しみ合ふを人知らず 河東碧梧桐「碧梧桐句集」