鼠黐の実(ねずみもちのみ)三冬
【子季語】
女貞の実/ねずみのふん/ねずみのこまくら
【解説】
モクセイ科の常緑低木で、庭園や生垣に植えられるが、山野に自生するものもある。六、七月頃、白い四裂の小花が円錐状花穂を作る。実は十二月頃熟して暗紫色になる。この木が黐の木に似て、 実は鼠の糞によく似ていることから名付けられた。
【科学的見解】
ネズミモチは、本州から琉球に分布するモクセイ科の常緑樹である。山地に普通に見られる樹木であるが、庭木や生垣として身近でよく利用されている。近縁種としては、中国原産のトウネズミモチが知られており、こちらは本種より葉含めて全体的に大きくなり、よく公園木として各地に植栽されている。近年、トウネズミモチの種子が鳥散布により拡散し、市街地周辺の野山に逸出している。(藤吉正明記)