柏黄葉(かしわもみじ/かしはもみぢ)晩秋
【解説】
柏の葉がいろづくこと。黄色から褐色になる。柏紅葉自体にあでやかさはないが、木が大きくなるだけに紅葉山の彩りになる。
【科学的見解】
カシワは、ブナ科コナラ属の落葉高木で、北海道から九州までの海岸近くもしくは山地に生育する。カシワの堅果は丸みを帯び、殻斗は杯状で柔らかな先が尖った鱗片をつけることが特徴である。葉は、二十から三十センチとなり、縁が波打つ。カシワの葉は、黄色に紅葉し、その後落葉することなく枝先についたまま茶色の枯葉となる。普通、落葉植物は紅葉後、葉柄付け根に離層が形成され、葉が落下する仕組みになっているが、カシワの場合は離層形成がスムーズに行われないのか、春先まで枝先の新芽を霜から守るかのように落下せずついたままになる。春先新芽が出ることにようやく枯葉が落下する。(藤吉正明記)