油桐の花(あぶらぎりのはな) 初夏
【子季語】
山桐
【解説】
トウダイグサ科の落葉高木。樹は十メートルを超え、初夏、枝の上部に白く清楚で大柄な円錐形の花をつける。雄花と雌花は別だが、雌雄同種。種子からは桐油を採り、かつては油紙、和傘、提灯などをつくった。種子は有毒。
【科学的見解】
アブラギリは、本州中部地方以西から九州の山地に生育する落葉樹である。花は白色で、枝先に多数つくため目立つ。材は、下駄などに使用され、また樹皮は染料や皮なめしに活用されたとのことである。種子も含めて、昔から有効活用されてきた植物である。近縁種としては、オオアブラギリ(シナアブラギリ)やカントンアブラギリなどが中国から導入され、稀に国内で栽培されている。(藤吉正明記)