数の子草(かずのこぐさ) 晩春
【解説】
全国の水田やあぜ、湿り気の多いところに生える。分布は広く、日本各地から朝鮮、樺太まで及ぶ。ムギに伴って伝来したと思はれる史前植物。別名ミノゴメ。高さは三十センチから一メートル近くまで伸び、茎は直立してやわらかい。花は沢山の小穂(しょうすい)からなり、この小穂が開く前のつぶつぶが数の子に似ているためこの名がある。イネ科。花期は四月から六月。
【科学的見解】
カズノコグサは、イネ科の一年草から越年草で、北海道から沖縄までの平地の水田付近に広く分布している。本種は、一属一種の植物であり、近縁種は存在しないが、外見上は水田に生育するイヌビエに似ている。霞草 かすみそうカスミソウは、ナデシコ科の一年草もしくは越年草で、大正時代に導入された後、主に観賞用の切花として活用されている。本種は、花が先端に群れたようにつくことからムレナデシコやハナイトナデシコなどの別名を持つ。日本各地で広く栽培されている。(藤吉正明記)