勿忘草(わすれなぐさ) 晩春
【子季語】
ミヨソティス/わするな草/藍微塵
【解説】
ムラサキ科の多年草であるが、一年草として観賞用に栽培される。原産地はヨーロッパで、十から三十センチほどの高さになる。花期は三月から七月頃。薄紫の五弁の花をつける。
【科学的見解】
ワスレナグサは、ムラサキ科の多年草で、観賞用として庭先などで栽培されている。本種は、ヨーロッパからアジア原産の植物であり、別名ノハラワスレナグサとも呼ばれている。本種とは別に、シンワスレナグサという名の植物が存在し、本来はそちらをワスレナグサと呼んでいたらしい。ヨーロッパ原産のシンワスレナグサは、北海道と本州の水辺に定着しており、茎が這う性質があるため、ノハラワスレナグサと区別できる。(藤吉正明記)
【例句】
勿忘草若者の墓標ばかりなり
石田波郷「雨覆」