海桐の花(とべらのはな) 初夏
【解説】
花とべら海桐はトベラ科トベラ属の常緑低木。暖地の沿岸部に自生し、高 さは三メートルくらい。四月から六月にかけて、本年枝の先に集 散花序を出し芳香のある白い小花をたくさんつける。直径一・五 センチほどの黄色の実は晩秋に裂けて、十粒ほどの赤い種があらわになる。
【科学的見解】
トベラは、本州から琉球の海岸付近分布する常緑樹である。本種は、雄花と雌花を別々の個体に形成する雌雄異株である。花は白色の集散花序で、枝先に多数つき、よい芳香がある。葉は全縁で、縁が裏側に少し反り返った形をしているところが特徴である。近縁種としては、葉が大型のオオバトベラやシロトベラ、オオミノトベラ、コバトベラなどが存在する。(藤吉正明記)