珊瑚樹の花(さんごじゅのはな) 晩夏
【解説】
珊瑚樹はスイカズラ科ガマズミ属の常緑低木ないしは高木。暖地の沿岸部に自生するほか、庭木や生垣としても植えられる。高さは五メートルくらいが普通で、高いものは十五メートルにもなる。 六月ごろ、枝先に円錐花序を出し白い小花たくさんつける。実は秋に赤く熟し、しだいに藍黒色に変わる。美しい実を珊瑚にたとえて珊瑚樹の名がついた。
【科学的見解】
珊瑚樹(サンゴジュ)は、本州関東以西から沖縄の丘陵地から沿岸地に生育する常緑広葉樹である。赤い実が鳥に好まれ、暗い林でも生育できる耐陰性を有していることから近年分布を広げている。また、葉や枝は草木染めに活用でき、木綿を染色すると肌色から駱駝色の美しい色彩となる。(藤吉正明記)