花蘇芳(はなずおう/はなずはう) 晩春
【子季語】
蘇芳の花
【解説】
江戸時代に中国から渡来したマメ科の落葉低木。二~四メートルの木の枝に、葉に先立って蝶型の小さな花をびっしりつける。花の紅紫色が、蘇枋染の色に似ていることが名前の由来。ほのぼのとやさしくも、賑やかな花である。”
【科学的見解】
マメ科ハナズオウ属の植物としては、日本に自生しているものはなく、数種が外国から持ち込まれ栽培されている。中国原産のハナズオウが一般的に庭先や公園などに植栽されており、その近縁種であるアメリカハナズオウやセイヨウハナズオウが稀に見られる。(藤吉正明記)
【例句】
織姫も待たで花咲く蘇枋かな
希因「類題発句集」
紫荊枝の元末余すなく
西山泊雲「ホトトギス雑詠選集」