鳩吹(はとふく) 初秋
【子季語】
鳩笛
【解説】
猟師が狩の時、鹿などの獲物に気付かれないように、手を組み合わせて笛のように吹く合図。鳩の鳴声に似ていて、山鳩を捕らえる際吹いたことに由来する。
【例句】
法師にもあはず鳩吹く男かな
言水「新撰都曲」
はげ山や吹き力なき鳩の声
才麿「椎の葉」
鳩の吹くころ青う吹く松ばかり
千代女「真蹟」
鳩吹くや藪山口のつぶら家
暁台「暮雨巷句集」
くれちかく鳩吹いて山にこたふかな
古月「春秋稿」
鳩吹くやこれからものの枯るる声
素丸「素丸発句集」
鳩吹くやおのが頬骨吹き細め
素丸「素丸発句集」
藪陰や鳩吹く人のあらはるる
正岡子規「子規句集」
鳩吹の森の中道分れ行く
内藤鳴雪「鳴雪俳句鈔」