八朔の祝(はっさくのいわい/はつさくのいはひ) 仲秋
【子季語】
憑の節供/田実の節/田面の節/絵行器/綵雀/造り雉/造り鷺/姫瓜雛/姫瓜の節句/八朔の白小袖/八朔の白帷子
【解説】
旧暦の八月朔日(一日)の行事。従来の六月あたりに田植をすれば、八朔の頃、稲の穂が出始める。故に農家では豊作を祈り、たのみの節句、八朔盆、八朔の節句などと称してこの日を祝った。親族、主従間の贈答なども行なわれた。
【例句】
八朔に酢のききすぎる膾かな
許六「韻塞」
八朔や浅黄小紋の新しき
野坡「たね茄子」
八朔もとかく過ぎ行くをどりかな
蕪村「遺草」
八朔や四座の登城の袖かへす
召波「春泥句集」
八朔やかたびらさむし酒酌まむ
樗良「樗良句集」
八朔や扇さしたる小百姓
蓼太「蓼太句集二編」
早稲くさいものを敷いてやたのもの日
千代女「自撰巻」
古町の出づるや頼母の顔合せ
太祗「題林集」