稲積む(いねつむ) 新年
【子季語】
寝積む/稲挙ぐ/いね起す
【解説】
「寝る」を言い換えた、正月の忌み詞(ことば)。「寝る」には病気で寝込む意味もあるため、古語の「寝ね(いね)」と目出度い「稲」をかけた。「積む」も、喜びが積み重なるに通じる目出度い言葉。
【例句】
稲積むや恵方の方へ枕せん
朝竹「類題発句集」
神々に燈を捧げけりいね積まむ
蝶衣「懸葵第一句集」
寝積や或は聞ゆる凧の音
北涯「俳人北涯」
一はなに猫がいねつむ座敷かな
一茶「九番日記」
いねつむやいまだに除夜の夢心
月窓「千題集」
よき雨や枕もあげず稲積まむ
風羅「新類題発句集」
いねつむや通ふ呼吸も柳より
元夢「千題集」
稲積や大風の鳴る枕上ミ
村上鬼城「定本鬼城句集」
稲積や枕屏風の六歌仙
村上鬼城「鬼城句集」