麦打(むぎうち) 初夏
【子季語】
麦叩/麦つき/麦搗/麦の殻竿/麦埃/麦打歌/麦焼き
【解説】
扱き落した麦の穂を打つこと。麦は穂のまま落ちるので、さらに打って実を落とさねばならない。麦打ち棒を用いるが普通は殻竿を使う。現在では脱穀機の作業に変わる。麦打ちで出た麦の塵を焼くことを麦焼という。
【例句】
ほとほとと麦つく臼の音睡し
蝶夢「草根発句集」
長旅や駕なき村の麦ほこり
蕪村「蕪村句集」
麦ほこりかかる童子の眠りかな
芥川龍之介「澄江堂句集」
麦埃赤光の星森を出づ
川端茅舎「川端茅舎句集」