田植唄(たうえうた/たうゑうた) 仲夏
【子季語】
田唄/早乙女唄
【解説】
瑞穂の国といわれるほどに、みずみずしい稲穂の育つ景色は、日本人の原風景といえよう。稲は聖なるものとされ、田植も神事としての側面をもって続けられてきた。お田植神事にともない派生したものが田植唄。機械化で、これらの情緒は乏しくなったが、伝統芸能として今も保存されている。
【例句】
風流の初めや奥の田植歌
芭蕉「奥の細道」
腰折は植うる田歌の姿かな
重頼「犬子集」
午の貝田うた音なく成りにけり
蕪村「新花摘」
雇はれて老なるゆひが田歌かな
几菫「井華集」
そぼふるやあちらこちらの田植歌
正岡子規「子規句集」