山葵(わさび) 晩春
【子季語】
土山葵/葉山葵/畑山葵/白山葵/山山葵/青茎山葵/赤茎山葵/山葵田山葵堀/山葵沢
【解説】
アブラナ科の多年草。葉はハート形で、春から夏にかけて白い四弁の小さな花をつける。水の流れるところで栽培されるが、人里近い山地にも自生する。地下茎をすりおろし、香辛料として刺身や蕎麦などに添える。葉や茎は、わさび漬の材料になる。
【例句】
おもしろうてわさびに咽ぶ泪かな
召波「春泥発句集」
雪いくたび降りし山葵ぞ抜かれたる
渡辺水巴「水巴句集」
沢水は春も澄みつつ山葵生ふ
松本たかし「火明」
山葵の芽砂に暦日ありやなしや
川端茅舎「華厳」