浜菅(はますげ) 晩夏
【子季語】
香附子
【解説】
カヤツリグサ科の多年草。海岸の日当たりの良い砂地や草原に自 生する。繁殖力が強く群生する。線形の葉の根元から硬い花茎が 直立し、頂に赤茶色の二十~三十個の小花からなる細い花穂を数本つける。地味で目立たないが塊茎は薬用となる。草丈二十~三 十センチ。
【科学的見解】
ハマスゲは、本州から琉球及び世界の熱帯から亜熱帯に広く分布する多年草である。本種は、地下茎を発達させ、砂礫中に広がり、あっという間に一面を覆いつくす。砂浜海岸のやや環境の安定したところに生育している。砂浜に出現するカヤツリグサ科としては、コウボウシバなどが存在するが、本種はやや葉が細く、青みのある緑色の葉をしている点で区別がつく。(藤吉正明記)