烏芋(くろぐわい/くろぐわゐ) 初春
【子季語】
大黒慈姑
【解説】
カヤツリグサ科の多年草。池や沼、水田に生育する。地下茎を伸ばして群落し、春に芽を出す。地下茎の先端には球根状の塊茎ができる。春、それを切り取って食用とする。食感、味とも慈姑に似る。
【科学的見解】
クログワイは、関東・北陸地方以西から九州まで分布する草本植物である。長い匍匐枝の先端に約二センチメートルほどの塊茎がつく食用の種は、イヌクログワイと呼ばれており、中国などで栽培されている。この種は、日本でも稀に栽培されており、西日本に多少野生化しているとのことである。(藤吉正明記)
【例句】
泥つきて床し烏芋は何の玉
乙二「発句題叢」