【解説】
ユリ科ヤブラン属の多年草。山地の樹陰などに自生するが、庭や公園に植えられる園芸種もある。根元から伸びる、剣状の細長い葉は、五十センチにもなる。葉の色は濃緑色であるが園芸種には斑が入っている。初秋、葉の間から花茎を伸ばし、淡紫色の花を総状につける。
【科学的見解】
藪蘭(ヤブラン)は、本州から沖縄の林内に生える耐陰性の多年草である。果実は、黒く熟し、鳥によって種子が散布される。近縁種としては、コヤブランとヒメヤブランが存在するが、ヤブランは匍枝がないのに対して、その他二種については匍枝が存在するので、そこで区別ができる。(藤吉正明記)