鱧(はも)三夏
【子季語】
生鱧、祭鱧、小鱧、落し鱧、鱧ちり、鱧料理
【関連季語】
水鱧
【解説】
鱧ときくと祗園囃子を思うほど、祇園祭のころの京都の味覚を代表するものである。身と皮の間に小骨が多く骨切りをしてから料理する。身だけでなく皮、骨、浮袋まで賞味する。白身であっさりとした味わいの夏の高級魚である。旬にさきがけて獲れる小さなものは水鱧という。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に水鱧で所出。
【実証的見解】
ウナギ目ハモ科の魚。形は鰻に似て、二メートル近くなるものもいる。骨は硬く、鋭い歯を持つ。鱗はなく、腹部は銀白色で、背は灰褐色。本州中部以南の沿岸域に生息する。昼は海底の泥のなかにひそみ、夜、動き回って、小魚、甲殻類などを捕食する。
【例句】
飯鮓の鱧なつかしき都かな
其角「五元集」
大阪の祭つぎつぎ鱧の味
青木月斗 (同人)
竹の宿昼水鱧を刻みけり
松瀬青々「妻木」