岩煙草(いわたばこ/いはたばこ) 晩夏
【子季語】
岩菜/いはぢしや
【解説】
イワタバコ科イワタバコ属の多年草。本州、四国、九州の湿った岸壁などに自生する。七月から八月にかけて花茎をのばし、二から二十個の紅紫色の花を散形花序に咲かせる。葉がたばこの葉に似ているのでこの名がある。
【科学的見解】
イワタバコは、本州(福島県)から九州に分布するイワタバコ科の多年草である。渓流もしくは水源付近の岩上に張り付いて生育し、ふつう一から二枚の大きな葉をつける。その葉や生育地の様子からイワタバコという名が付けられた、近縁種としては、葉の裏面に軟毛が生えるケイワタバコや南方に生育し葉の鋸歯が細かいタイワンイワタバコなどが知られている。(藤吉正明記)