
【子季語】
真葛/さなかづら/美男葛/とろろかづら/ふのりかづら
【解説】
サネカズラ、ビナンカズラの名は樹皮から粘液をとって整髪料としたため。関東以西の山地に自生する蔓性の木本。八月ころ白い小さな花をつけるがあまり目立たない。雌雄異株で秋に美しい赤い実をつける。この実を乾燥させて漢方薬として使う。
【科学的見解】
サネカズラは、本州関東地方以西から琉球までに分布するつる性木本植物である。集合果は、球状で赤色に熟し、鳥散布で種子を分散している。似た植物にチョウセンゴミシが知られているが、チョウセンゴミシの果実は、球状ではなく房状に細長くなるため、容易に区別がつく。(藤吉正明記)