狐の剃(きつねのかみそり)初秋
【解説】
日本各地の山地に自生するヒガンバナ科の多年草。春先、水仙に似た葉を出すが夏になると葉は枯れる。花期は八、九月ころで百合に似たオレンジ色の花は目立つ。名の由来は、花の色と狐の毛の色とが似ているため、葉がカミソリに似ているためなど諸説ある。有毒植物。
【科学的見解】
キツネノカミソリは、ヒガンバナ科の多年草で、本州から九州までの山野に生育する。近縁のヒガンバナ(別名:マンジュシャゲ)やショウキラン(別名:ショウキズイセン)と同じように、開花後の秋から春にかけて葉を展開し、夏には葉を枯らし夏眠する特徴がある。ヒガンバナやナツズイセンなどは種子を形成しないことで有名であるが、近縁の本種は球形の大きな種子を形成する。(藤吉正明記)