梓の花(あずさのはな/あづさのはな) 晩春
【子季語】
よぐそみねばりの花/花梓
【解説】
梓はカバノキ科カバノキ属の落葉高木。関東、中部地方の山地に自生し、高さは二十五メートルくらいになる。晩春に開花する。雄花序は褐色で長さ八センチくらい、枝の先から垂れ下がる。雌花序は緑色の円柱形で、枝先に一つ上向きにつく。
【科学的見解】
梓の標準和名は、ミズメである。ヨグソミネバリという別名も有している。ミズメは、カバノキ科の落葉高木であり、本州岩手県以南から九州までの山地に生育する日本固有の植物である。花は単性花で雌雄同株になっている。樹皮や枝にはサリチル酸メチルに似た香りがある。アネモネアネモネは、キンポウゲ科の多年草で、主に観賞用として、花壇や庭先などで栽培されている。本種は、ベニバナオキナグサやハナシチゲなどの別名がある。明治以降に導入され、近年では様々な品種が作出されている。(藤吉正明記)