粥の木(かゆのき) 新年
【子季語】
粥杖/福杖/粥木/粥箸/祝棒
【解説】
小正月(陰暦正月十五日)の粥を炊く際に、粥をかきまわすのに用いられた棒のこと。粥箸、粥杖ともいう。年木で作った棒やこの粥を炊く御薪(みかまぎ)を削って作られた。年木の生長する力と小正月の粥の邪気を払う力が信じられ、これで女性の尻を打つと子供を授かるなどとされた。
【例句】
粥杖に信連尻をうたせけり
蓼太「蓼太句集三編」
粥杖に逃げるふりしてうたれけり
三敲「類題発句集」
粥杖や御簾にほつるる鬢の髪
曾天「新類題発句集」
粥杖や梨壺の五人打はづし
羅川「五車反古」
粥杖や打たれてあらればしり迄
完来「発句題叢」
粥杖の笑うて弱き力かな
吐月「発句類聚」